14 / 27

第14話

腰をさする手の感触で意識が戻る。 瞳をあけるとヒロが隣に座っていた。 風呂に入った覚えはないけど、体はきれいだ。 ヒロがいれてくれたんだろう。 「はい。水」 そう言ってコップに入った水道水を渡される。 いつもはヤることヤったら帰るのに、俺をねっちこく抱いた後のヒロは少し優しい。 たまにみせる優しさが俺の判断を鈍らせる。 「ありがとう。」 ぬるい。 けどその温度は俺の喉には丁度よかった。 「ミツル、体だいしょうぶ?」 怠さはあるけど、ヒロが激しく動いた訳でもないから痛みはない。 たぶん、数分もすれば立てる。 「ん、大丈夫。」 「よかった。」 ヒロは安心した顔をして俺の隣に寝転ぶ。 いつもは起きたら消えてしまうヒロの体温をこっそり俺は体に覚えさせる。 「俺さ、ミツルとが一番長く続いてるわ。」 「俺でいいじゃん。」 なんて言葉が俺の喉に絡まる。 ダメだ。 そんなこと言っちゃいけない。 ヒロは俺といると楽だから会ってくれるんだ。 朝にはなくなる体温だとしても失いたくない。 だから俺は冗談で返す。 「セフレが一番長いとか、お前クズだな。」 「そんなことないし。禁煙がんばったし、大切にしたし。」 「大切にする奴が浮気なんてするかよ。」 「体と心は別じゃん。」 ヒロは最低なことをいう。 『体と心は別』か。 俺はヒロの心は手に入らない、だからせめて体だけでも愛してほしい。 泣きそうになったのがバレないようにヒロに抱きつく。

ともだちにシェアしよう!