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第23話

初めてヒロとねた日から、俺達は盛りのついたサルみたいにどこでもヤッた。 校舎裏、体育倉庫、空き教室。 高校は俺の黒歴史の温床だ。 体を重ねる内にヒロへの情がわいてきた。 ヒロが俺を求めてくる度に、俺と遊んでる時に彼女からの誘いを断る度に俺はヒロの本命なんだって小さな優越感に浸る。 弁当を作ってきたりなんかもした。 でも、それは俺の勘違いなんだってすぐに思い知らされる。 空き教室に俺達の息遣いだけがする。 「ヒロ、すき」 ヒロに抱きつきながら俺は言ってしまった。 するとさっきまで腰を振っていたヒロの動きが止まる。 「え?俺達、友達じゃん。」 ヒロの言葉に幸せでいっぱいだった俺の頭は真っ白になる。 は?何言ってるのこいつ。 俺をこんな風にして散々勘違いさせといて友達なのか。 俺はヒロが何股もかけてる恋人達にすらなれてなかった。 ヒロの俺への無関心さが心地よかったはずなのに今はそれが辛い。 でももう俺はヒロなしでなんていられなくなってしまった。 走ることを失った俺にはヒロしかいない。 ヒロが冷めた目を俺に向けている。 このままじゃ、この関係が終わってしまう。 体だけでも繋ぎ溜めたくて、俺は嘘をついた。 「揶揄っただけだよ。バーカ」 「なんだよ、ビビらせんなよ。」 『ビビらせんなよ』その言葉がさらに俺の心を沈ませる。 ヒロにとって俺の好意は都合が悪いものなんだ。 これも友達との戯れにすぎなかったから情も何も存在しない。 その後も淡々と続けられる行為がヒロにとっての俺は性欲の捌け口なんだって突きつける。 でも手つきは優しくて俺を気遣ってくれる。 これもただのヒロの趣味なんだって頭ではわかる。 それでもヒロの体温が感じられて嬉しいなんて思う俺は重症だ。 家に帰ってから涙が枯れるほど泣いた。 次の日、俺の顔を見たヒロは 「花粉症?」 なんて的外れなことを言ってきた。 こいつにとって昨日のことはどうでもいいんだろうな。 心の奥が静かに温度を失っていった。 ここで目が覚めた。 夢でさえヒロは俺のものにはなってくれないんだな。 やっぱり起きるとヒロはもういなかった。 煙草の匂いがしない。 禁煙、本当に頑張ったんだな。 ヒロから心も煙草も奪っていたヒロの元カノが憎らしい。 昔を思い出すみたいに俺は煙草に火をつけた。 煙を吸い込んでも喉はひりつかなくなった。 それなのに、俺の視界はぼやけていった。

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