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第12話:思わぬ凶器と悪あがき ※
私は、ドノバンを見下ろしたまま、自身の腰元へと手を伸ばした。
カチャリ、と。
私のベルトの金属製バックルが外れる硬質な音が響いた。
続けて、限界まで張り詰めていたズボンの前を寛 げる。
――バツンッ!
圧迫から解放された私の分身が、弾かれるように外へと飛び出した。
月光の下に晒 されたそれは、度重なる妄想と寸止めで極限まで鬱血 し、どす黒いほどに赤く、太く、脈打っていた。
グロテスクなまでに血管を浮き上がらせ、空気に触れてさらに一回り大きく膨張する、凶悪な質量。
「ひッ……!?」
その生々しい音と、目の前に現れた圧倒的な大きさの「現実」を目の当たりにして、ドノバンが息を呑んだ。
だが、私は彼に考える隙を与えなかった。
凶暴に反り返ったその先端を、ドノバンの露わになった腹筋の深い溝に、ぬめり、と押し当てたのだ。
「はぁ……っ、もう、早く挿れたい……」
熱に浮いた声で譫言 のように呟きながら、私は熱い竿を腹筋の凹凸に擦り付け、そのままの手で邪魔なドノバンのズボンの紐へと指をかけた。
我慢できない。このまま引きずり下ろし、一気に貫いてしまいたい。
その明確な「捕食」の意志と、腹に押し付けられた焼けるような熱さに、ドノバンが弾かれたように正気に戻った。
陶酔 していた顔から、さっと血の気が引いていくのが見て取れる。
「ま……まて!」
ドノバンの手が、咄嗟 に自身の寝間着のズボンのウエスト部分を鷲掴みにした。
紐で結ばれただけの緩い腰回りが暴かれないよう、必死に押さえ込んでいる。
その目は、自身の腹の上で反り返るモノに釘付けになり、恐怖で小刻みに震えていた。
「『好きにしてくれ』とは言ったが……な……お前、本気か……? 最後まで、やる気なのか?」
「ええ、もちろん」
ドノバンはそこで言葉を詰まらせ、視線を泳がせた。
何かを言いかけては飲み込み、顔を赤くしたり青くしたりしながら、意を決したように、蚊の鳴くような声で問いかけた。
「そ、その……だな。……『やる』っていうのは……まさかとは思うが……」
彼は、認めたくない事実を確認するように、酷く言いづらそうに言葉を絞り出した。
「……俺が……入れられる側、なのか……?」
年下の優男相手に、大男の自分が掘られるのか。
そんな微 かな希望というか、常識的な疑問にすがるような問いかけ。
対して、私は眉一つ動かさず――ズボンの紐を押さえていたドノバンの手首を、ガシッ! と掴み取った。
「うおっ!?」
私はその分厚い指を無理やりこじ開け、自身の反り返った凶悪な先端を、根元まで深く握らせた。
そして、彼の拳を私の手で上からガッチリと固定すると、その「手で作った穴」に向かって、腰を激しく前後させた。
ヌプ、ヌプ、と。
溢れ出た蜜が潤滑油となり、彼の掌の中を私のモノが滑り、出入りする。
「……はい。すぐにでもコレで、あんたを犯したいです」
まるで、これから彼の後ろを貫く予行演習のように。
瞳の奥で理性のタガが焼き切れ、物理的なピストン運動を見せつけられて、ドノバンがひきつった悲鳴を上げる。
「いや、いやいやいや! 待て、無理だ!!」
ドノバンは顔面を蒼白にして、私の手から自身の掌をなんとか引っこ抜いた。
そのままベッドの隅、壁際まで後ずさり、その百九十センチ近い巨躯を少しでも小さくしようと膝を抱え込み、ガタガタと震えている。
「ていうか、お前、その綺麗な顔でなんて凶悪なモンぶら下げてやがる!! 人の尻に入れていいサイズじゃねえ!!」
ドノバンは私の股間で脈打つ質量を指差して喚いた。物理的な恐怖が、彼の理性を粉砕している。
「それに俺を見ろ! このとおり大男だぞ!? 枯れたオッサンのケツだぞ!? 入るわけねえだろ!」
必死の抗弁。だが、私は獲物を追い詰める蜘蛛のように、一歩、また一歩とゆっくり彼との距離を詰めていく。
「関係ありませんね」
一歩踏み出す。
「確かに、そこらのひ弱な人間なら裂けて壊れてしまうかもしれません。……ですが」
また一歩。
「あんたのその立派な体格 は、何のためにあるんですか?」
「な、なにが……?」
「その丸太のような太腿。分厚い骨盤。……私のこの規格外の剣 を、鞘 として収めるために、あんたはこんなにも大きく、頑丈にできているんですよ」
ドノバンの目の前まで迫り、逃げ場を失った彼を見下ろす。
「……私は、毎日欠かさず見ていましたから」
「み、見ていた……?」
「ええ。制服のズボンの上からでも分かる、その主張の激しい尻の形を」
毎日、毎日。挨拶をするふりをして、報告をするふりをして。
私はあんたの後ろ姿を、その尻の肉付きを、どれだけ熱い目で見ていたと思っているんですか。
ドノバンの視線が、私の言葉に誘導されるように――いや、本能的な恐怖に抗えず、私の股間へと吸い寄せられた。
そこには、月光を弾いてテラテラと光り、血管を浮き上がらせてドクドクと脈打つ「凶器」が鎮座している。
私の狂った理論を否定したいはずなのに、目の前の圧倒的な質量を見せつけられ、脳が勝手にシミュレーションをしてしまったのだろう。
自分の狭い入り口が、この「凶器」に無慈悲にこじ開けられ、内臓の奥底まで隙間なく埋め尽くされていく光景を――ありありと幻視してしまったのだ。
「ひッ……!?」
私の視線と、脳内を駆け巡った想像上の激痛(快感)が、物理的な熱を持って肌を刺したのか、ドノバンがゾクリと震え上がった。
私の股間は未だ凶暴に反り返り、彼を貫く気満々で脈打っている。
「あ、あそこは出すための器官だ! 入れるために出来てねえんだよ!! 裂ける! 絶対に裂ける!!」
ドノバンはなりふり構わず喚 き散らし、必死の形相で代案を提示した。
「て、手だ! 手じゃダメなのか!? 手でしてやる! 俺が抜いてやるから! だから後ろは勘弁してくれ!!」
涙目での懇願 。
だが、私はその言葉を聞いた瞬間、ふっと全身の力を抜いた。
そして、縮こまるドノバンの胸元に倒れ込むように顔を埋め、その分厚い体に腕を回してぎゅっと抱きしめた。
「……ドノバンさん。ひどいですよ。『好きにしていい』って、言ったじゃないですか」
拒絶された子供のように、けれど決して離さないという強い力でしがみつく。
銀色の髪が彼の肌をくすぐり、わざと熱を持たせた吐息を、彼の敏感な首筋に吹きかける。
「うっ……いや、しかしだな……」
「男が、心底惚れた相手に『好きにして』と言われて、途中でやめられると思いますか? 私がどれだけ我慢して、あんたのことだけを考えてきたか……わかってないくせに」
甘えるような声音の中に、抜き差しならない熱情 を混ぜ込む。
「い、嫌がるか試すって言っただろ! 後ろは嫌だ……!」
「試さないと、本当に嫌かどうかわからないじゃないですか」
私はドノバンの胸に顔を埋めたまま、懇願するように、けれど一語一句を噛み締めるように言葉を紡いだ。
「……あの日。スタンピードを鎮圧して、ボロボロで戻ってきた私を、あんたが手当てしてくれた時からです」
「あ……?」
「あの時。あんたのその硬く、無骨な指が……私の素肌に触れ、熱を伝えてきた瞬間。……私はどうにかなってしまった」
顔を上げ、至近距離でドノバンの瞳を見つめる。
私の瞳は、きっと今、熱病に冒されたように潤んでいるはずだ。
「人生で、こんなに人を好きになったことはありません。自分がこれほど、抑えられない欲に振り回されるのも初めてなんです」
「お前……」
「怖がらせて、暴走してしまって、すみません。……でも、貴方が好きで、好きで、どうしようもないんです」
私は彼の手を取り、自身の激しく脈打つ胸と、硬く張り詰めた下半身へと順に押し当てた。
「わかりますか? 私の中で、貴方への想いが暴走 を起こしている」
ドノバンが息を呑む。
私は彼の逃げ場を塞ぐように、その耳元で決定的な一言を囁いた。
「監視員 のドノバンさん。……あの日のスタンピードを収めた貴方なら、私のこの暴走も、収めてくれますよね?」
「――――ッ」
それは、卑怯なほどの愛の告白であり、彼という人間に向けた逃れられない「依頼」だった。
ドノバンの瞳が揺れる。
親子ほども年下の男が、なりふり構わず愛を乞い、暴走するほど乱れている。
その事実と熱量が、彼の堅牢な理性の扉を内側から溶かしていく。
長い、長い沈黙の後。
ドノバンの大きな手が、迷うように私の背中に回され、諦めたようにポン、と置かれた。
「……クソッ……。ああ、もう、わかったよ! どうなっても知らねえぞ……」
その諦念を含んだ許しを聞いた瞬間、私はドノバンを抱きしめていた腕に、万感の想いを込めて力を入れた。
もう、無理に押さえつける必要はない。彼は私を受け入れたのだから。
「……ありがとうございます、ドノバンさん」
私は、抵抗の意思を失った彼の腰から、ズボンと下着を一気に引きずり下ろした。
「うぅ……っ」
下半身を涼しい夜気に晒されたドノバンの口から、図体に見合わない情けない声が漏れる。
無防備に露わになった彼の下半身は、年相応の落ち着きと、冒険者として鍛え上げられた力強さを同居させていた。
そして、その中心にあるものは、恐怖で萎縮しているどころか、期待に震えるように赤黒く勃ち上がり、自身の腹を叩かんばかりに脈打っていた。
「……ふふ。嬉しいな」
私は、その光景を見て、堪えきれない歓喜の笑みを漏らした。
「あんなに怖がっていたのに……体はこんなに素直に、私を求めてくれている」
「み、見るな……ッ! これは、ただの生理現象で……!」
ドノバンが顔を真っ赤にして股間を隠そうとするが、私はその手首を掴んで阻止し、熱く昂った先端を指先で弾いた。
ビクン、と竿が跳ねる。
「生理現象結構。……理屈なんて関係なく、あんたの『雄』の部分は、私に興奮してくれている。それが全てですよ」
「……さて。私を受け入れられるように、あんたの後ろの『準備』もしてあげないといけませんね」
私はドノバンの反応に満足し、彼を味わい尽くす準備をするためにゆっくりと身を起こした。
焦らすのはここまでだ。ここからは、私の全てを彼に刻み込むための、とびきり贅沢な『支度』をしてあげないと。
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