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45.狐と虎

 二人で飲んで食ってあらかた楽しんだ後、そろそろ帰るかと話してると、呼んでもいないのに店員さんが俺らの席にやってきた。  ってタイガーじゃねぇか!  やっぱり来やがったな!  でもちょっと酔ってる俺は、言う程嫌じゃなかった。 「伊吹~!全然かまってやれなくてごめんな?」 「いや、頼んでないけど?」 「これ!お詫びに食ってよ♪お友達の分も♪あ、店には内緒ね?」  そう言って、デザートのバニラアイスを二人分テーブルに置くタイガー。一丁前にサービスなんかして大丈夫かぁ? 「ありがとー♪ね、君名前なんて言うの?伊吹の事好きー?」 「俺は大我って言いまーす♪伊吹の事は愛してますよ♡」 「愛……凄ぇね、この子」 「タイガーは良い子なんだよ!そう!でも悪い子なの!もー俺は心配で心配で!」 「伊吹酔ってんね、ちゃんと帰れるか?俺この後上がりだから送って行こうか?」 「は?大我って伊吹んち知ってんの!?」 「知らないっすよ?だから今日が初めて行く事になるなぁ♡」  ルナとタイガーが何か話してる。  二人共仲良くなったんだなぁ。  俺んちがどーのこーのって。  そしてルナの顔がまた怖くなる。  喧嘩はダメだぞー。    俺はバニラアイスを食べながら二人のやり取りを見ていた。  あー、なんか眠くなって来たぁ。 「なぁ大我、あまり伊吹を口説いてくれんなよ。この人意外とピュアなおっさんなんだ」 「えー、どーしてアンタがそんな事言うんすか?あー!もしかしてアンタが土曜の!?ん?でも今日は日曜だよな?まさか!日曜まで独占し始めたのか!?」 「ざけんな!俺は伊吹の客じゃねぇ!舐めんなクソガキ!」 「そっか~♪それなら安心した♪これ以上伊吹に変な虫が集ったら困るからよ~」 「俺からしたらお前らが変な虫なんだよっうじゃうじゃとわきやがってっ!殺虫剤撒いてやろうか!」 「ちょ、お客さん!ここ飲食店なんでそう言う話しはしーっ!ね?」 「腹立つ~!伊吹!もう帰ろうぜ!」 「んあ?もう終わったのか?」  半分眠り掛けていた俺は怒り狂うルナに呼び起こされて、いつの間にか立ち上がっていたルナに腕を引かれる。  タイガーはやれやれと言った顔をして俺達を見送っていた。  あれ?二人は仲良くなったんだよな?  何でルナは怒ってんの?  寝ぼけてたけど、二人の会話から殺虫剤とか聞こえて来たような?  まぁなんだかんだ楽しかったしどうでもいいか~♪  こうして俺の休日は終わるのだった。

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