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五つ目 最終回
行為が無事終わり、俺はすぐに真田の呼吸を確認する。
ちゃんと寝息がある。
真田は生きている。
その事に凄くホッとして安心した。
嬉しかった。
今までずっと、本当は望んでいた事ができたから。
満月の日でも真田を抱く事ができて。
「…本当に、お前には適わない…」
「…んっ……」
「普通なら、死んでても可笑しくないってのにな」
未だに寝ている真田は愛おしそうに見つめる彼の姿は、他の人には見せない優しい顔だった。
きっと本人すら気付いていないだろう。
「……お前を愛して良かった」
優しく真田の髪を撫でて、堪らなく愛しいというように彼は手を絡めてキスをした。
「絶対に、離さねぇよ」
こうして、二人は本当の意味で繋がった。
強い絆が更に強く絡め合い深くなった瞬間だった。
…ここだけの話、ヴァンウルフと満月の夜を過ごした者で生きた人は数少ない。
だから、もし生きていたのなら……その者と永遠の愛が結ばれるという。
つまりは、二人は結婚したという意味である。
「……指輪…何時渡すか、だな」
もう既に買ってある指輪を思いながら、彼は真田が起きるまで寝顔を目に焼き付けようと見つめ続けた。
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