5 / 5

五つ目 最終回

  行為が無事終わり、俺はすぐに真田の呼吸を確認する。 ちゃんと寝息がある。 真田は生きている。 その事に凄くホッとして安心した。 嬉しかった。 今までずっと、本当は望んでいた事ができたから。 満月の日でも真田を抱く事ができて。 「…本当に、お前には適わない…」 「…んっ……」 「普通なら、死んでても可笑しくないってのにな」 未だに寝ている真田は愛おしそうに見つめる彼の姿は、他の人には見せない優しい顔だった。 きっと本人すら気付いていないだろう。 「……お前を愛して良かった」 優しく真田の髪を撫でて、堪らなく愛しいというように彼は手を絡めてキスをした。 「絶対に、離さねぇよ」 こうして、二人は本当の意味で繋がった。 強い絆が更に強く絡め合い深くなった瞬間だった。 …ここだけの話、ヴァンウルフと満月の夜を過ごした者で生きた人は数少ない。 だから、もし生きていたのなら……その者と永遠の愛が結ばれるという。 つまりは、二人は結婚したという意味である。 「……指輪…何時渡すか、だな」 もう既に買ってある指輪を思いながら、彼は真田が起きるまで寝顔を目に焼き付けようと見つめ続けた。

ともだちにシェアしよう!