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四つ目

  荒い呼吸、淫らな身体、性欲を煽ってくる顔、その全てが喉の渇きを増すには充分のモノで。 時々、理性を失いそうになる度に真田がタイミングを計ったように手を差し伸べては大丈夫だと言ってくる。 その度に俺も大丈夫だと思えて安心出来た。 きっと余裕がないだらしない顔をしてるだろう俺に、真田も余裕がない筈なのに笑いかけては俺の唇を噛むようにキスをしてくる。 …………コイツは凄いと思った。 弱い人間だと思っていたのに、知るにつれて強い人間なんだと思わせてくるから……俺はコイツを離せなくなっていった。 「…っユズル……ユズ、ル……!」 「あっ…ん……はぁっ……眞澄…」 繋がって、何度も腰を動かして、それでもまだ満足しない俺の身体は真田の首筋をも求めた。 ただの狼なら血は吸わない。 だが俺はヴァンウルフで、セックスだけでなく血も欲する。 それがヴァンウルフの生き方。 真田の首筋に指をツゥーっと滑らせると、真田の身体がビクッと動く。 軽く首筋を舐めてからキスをして、俺はむき出しになる牙をたてようとした。 しかし、満月の、今の状態で吸血して止まらなくなったらと考えてしまって躊躇する。 そんな俺に真田はまた驚く行動をした。 離れようとした顔を真田の手でまた首筋の側に近づけて大丈夫だと言わんばかりに荒い息をしながら言った。 「…ちゃんと止める、から…」 「っ!!」 顔を見ると、余裕が無いくせに余裕そうに笑っていた。 俺は真田を信じると言った。 だから……信じよう。 少しだけ戸惑いながら、俺は真田の首筋に牙をたてた。 微かにビクつく真田の身体と締め付けてくる中に俺は真田の中に精液をぶちまける。 真田もイったのか、俺の腹あたりに生暖かいモノを感じた。 血は甘く美味しくて、もっとと身体が疼く。 それをまたタイミング良く真田の声で正気を保つ事ができて、俺はまだ疼く身体を誤魔化すようにまた身体を重ねた。

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