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三つ目
「不安なんだよっ!オレだって、オレじゃなかったらって考えて…でも好きでっ愛してるんだよ!!」
涙目でも真っ直ぐと彼を見つめる真田の瞳は不安で押し潰されそうだと言わんばかりに伝わる。
彼はショックを受けてしまった。
どうして真田の気持ちに気付いてやれなかったのかと。
自分自身に腹が立った。
「…っゴメン。変な事言ったな……忘れて」
「待てユズルっ!…行かないでくれ」
去ろうとする真田を後ろから強めに抱き締める彼は微かに震えていた。
真田はそれが分かり、回された腕にソッと手を重ねる。
「…悪いのは俺の方だ。お前の気持ちに気付けなかった…」
「眞澄…」
「本当に悪かった……だから、お前の望むようにヤってみる」
「っ…本当…?」
「ああ。でも……それでお前を失うかもしれない…俺はそれが凄く怖いんだ…」
震える身体はさらに震えて真田に伝わる。
けれど、真田はそれが嬉しいと思えた。
それ程、自分を大切に愛してるんだと伝わるから。
あぁ、自分はなんて酷い奴だろうと思った。
自分だけを愛し、自分だけを求めるこの狼が愛おしくて堪らない。
真田はゆっくりと回された腕を放し、クルリと彼に向き合うとさっきの事をもう一度口にする。
「…言ったろ。オレはお前を信じてるって」
「……あぁ。俺もお前を信じる」
見つめ合い、そしてお互いに求めるようにキスをする。
軽いキスから次第に激しいキスへと変わり、重ねる唇から舌を出すと互いの唇の中に入れる。
「…ふっ……あ…」
「馬鹿…もっと力抜け…」
「ん…っ」
激しさのあまり、呼吸が乱れ出し彼はそんな姿の真田に欲情する。
ゾクゾクと背筋を這う感覚と、硬くなるソレに彼はもう我慢が出来なくなった。
「…ユズル……少し我慢できるか」
「…んっ…」
頷く真田を確認すると、優しく額に軽いキスを落としてギュッと抱えると彼は屋上のビルから他の建物へと跳び移り、また違う建物へと跳ぶのを繰り返した。
彼はたどり着くとすぐ様部屋に向かい、真田をベッドに横たわらせた。
「……大丈夫か」
「平気…」
「そうか。……本当にいいんだな?」
最後の忠告というような彼の言葉に真田はフッと笑う。
「クドいな…もうとっくに覚悟は出来てる」
「…愛してる。ユズル、お前だけを」
甘くてとろけそうな優しいキスを愛おしくて愛おしくて、壊したい程に愛してる真田の額から瞼へと落とす。
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