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第15話(彼視点)
-なかった、はずだった。
店に入って
彼の姿を見つけた瞬間
胸の奥が、思ったより静かじゃなかった。
変わってない、と思った。
同時に
変わってしまったとも感じた。
声をかけたとき
一瞬だけ揺れた視線を見て
理由の分からない違和感が残る。
話してるうちに
昔よりも、距離が近い気がした。
駅までの帰り道
隣を歩きながら
なぜか、この時間が終わるのが惜しかった。
軽く誘ったつもりだった。
深い意味なんて、ない。
それなのに
「時間が合えば」と返されたとき
胸の奥が、少しだけ強く鳴った。
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