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第30話

家に帰って靴を脱ぐ。 電気もつけずにソファに座り込んだ。 頭の中に浮かぶのは さっきの横顔 沈黙 歩く速度 あの沈黙は 居心地が悪かった訳じゃない。 むしろ 言葉を探していた気がする。 -勘違いだ 何度もそう言い聞かせる。 彼は変わらない。 女遊びが絶えない男だ。 いまさら特別な意味なんてない。 次に会う日のことを 想像した訳じゃない。 ただ 気づいたら考えていた。 次の約束があるかも分からないのに。

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