37 / 76

第37話

その夜 彼からの連絡は来なかった。 理由を考えないまま 眠った。 次にあったとき 食事がひと段落して 彼がぽつりと言った。 「…この前さ」 グラスを持ったまま 視線を外す。 「最近、遊びの連絡断ること多くなって」 何とは言わない 「それで…ちょっと揉めた」 声は淡々としている。 「叩かれたよ、平手」 笑いもしない。 大袈裟にも言わない。 ただ、事実を並べただけみたいに 「…大丈夫?」 そう聞くと彼は肩をすくめた。 「まぁ、今までが都合よすぎただけ」 それ以上、詳しい話はしなかった。 理由も名前も出てこない。 でも、胸の奥に残ったのは 妙な引っかかりだった -断ること多くなって それが誰のせいなのか 考えるのをやめた。

ともだちにシェアしよう!