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第37話
その夜
彼からの連絡は来なかった。
理由を考えないまま
眠った。
次にあったとき
食事がひと段落して
彼がぽつりと言った。
「…この前さ」
グラスを持ったまま
視線を外す。
「最近、遊びの連絡断ること多くなって」
何とは言わない
「それで…ちょっと揉めた」
声は淡々としている。
「叩かれたよ、平手」
笑いもしない。
大袈裟にも言わない。
ただ、事実を並べただけみたいに
「…大丈夫?」
そう聞くと彼は肩をすくめた。
「まぁ、今までが都合よすぎただけ」
それ以上、詳しい話はしなかった。
理由も名前も出てこない。
でも、胸の奥に残ったのは
妙な引っかかりだった
-断ること多くなって
それが誰のせいなのか
考えるのをやめた。
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