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第45話

熱に浮かされて 意識は浅い。 それでも 誰かが近くにいるのはわかった。 頬にひんやりした感触 触れた指がすぐには離れなかった。 -あ 名前を呼ぼうとして 声にならない 指先がゆっくり動く。 撫でるということじゃない。 確かめるみたいな ためらいのある動き それなのに胸の奥が 少しだけ緩む このまま 離れなければいいのに そんなことを考えた自分に 驚く暇もなく意識が沈んでいく。 次に目を覚ましたとき それが夢だったのか 分からなくなっていた。

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