66 / 76

第66話(彼視点)

それから 泊まるのが当たり前になった。 鍵を開ける音 風呂の音 寝息 生活が静かに重なっていく。 ある朝 近づいた時 気づいた -久しぶりだなと思った 触れれば きっと全部持っていける でも それをしてしまったら あいつは 「選んだ」ことにはならない 仕事が忙しいとか 考える余裕がないとか そういう時に 決めさせるのは 違う だから やめた 体じゃなくて 言葉を先にと思った。 欲がない訳じゃない むしろずっとあった

ともだちにシェアしよう!