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第128話

「‥ん?」 急に言われた一言に、なんについてのことか理解できず、すぐ目の前に迫る美しい顔を見た。その瞳には荒々しい情欲が灯っているのが見え、ジュセルは心の中で小さくあっと叫んだ。 この問題が片付いたら‥ちゃんと最後まで、しよう。 そう言えばそんなことを言っていたのだった。なかなか怪しいところまでは色々とされてはいたが、確かに肝心の挿入を伴う行為にまでは至っていない。 そのことに思い当たってジュセルの顔は燃えるように熱くなった。きっと真っ赤になっているに違いない。 ‥‥それにしても帰るや否や、しかも階下にはたくさんヒトがいるのにこいつ‥! 「かっ、解決、したけど!今じゃねえだろ!?」 「待てない、タラッカンでだってずいぶん待った」 ケイレンはそう言うなりぢゅうっとジュセルの首筋に吸いついた。その刺激だけで(ホト)孔がじんと痺れ、じわりと蜜があふれてくるのがわかった。 「あ、‥うっ」 ケイレンはそんなジュセルの反応を見逃さず、ごりごりに猛っている自分の陰茎を衣服越しにジュセルの太腿に擦り付けた。その熱さに、ジュセルの脳はまた痺れてくる。 「や、だめ、だっ、て‥む」 横たわったジュセルの身体を包み込むようにしてケイレンの身体が乗ってくる。そのまま顔を押さえられ、深く口づけられた。厚い舌が、歯列を、上顎を、咥内の敏感な部分を撫でくすぐってきて官能を掻き立てる。 「んむ、‥んんっ」 なぜ、咥内をかき回されているのに下半身が疼くのだろう。その疼きはそのまま脊髄を登ってきて脳内に快楽物質を供給しているのに違いない。 そうでなかったら、こんな口づけだけで身体中が熱くなって蕩けそうになんかならない。 寝台の敷布の上に投げ出されていたジュセルの腕が、たまらずケイレンの首をかき抱いて引き寄せた。ぐっと口づけが深くなる。 お互いに痺れそうになるほど相手の舌を吸った。そして唇をこすり合わせた。柔い粘膜が触れ合うだけでじんじんとした快感が全身を駆け抜ける。 「あ、ああ‥」 ダメだ、もう全然身体に力が入らない。 ジュセルは自分の瞳にも情欲が灯っているのだろうとふわふわする頭で思った。ケイレンの手が器用にジュセルの身体中を這いまわって、衣服を剥ぎ取っていく。 ジュセルが一糸まとわぬ裸身になったのを見つめながら、ケイレンはゆっくりと上衣を脱いだ。 上衣は普通、二枚重ねて着ているものだがそれをいっぺんに脱ぎ去ったらしく、すぐにケイレンのたくましく均整の取れた上裸が見えた。 それを見てポーっとなりながら、ジュセルはほんの少し膨らんでいる自分の胸が恥ずかしくなり、腕で覆い隠した。‥こんなの、全然筋肉になってない。 「隠すな」 ケイレンはそう囁いてそっとジュセルの腕を掴み、顔の横に押しつけた。素晴らしい肉体美を持っているヒトの目に、自分の貧相な身体つきが余すところなく映されているかと思うと、羞恥で顔がほてった。自然と顔を背ける形になる。 「何でこっち見ないの?」 ケイレンはそう言ってジュセルが背けた頬に唇を落とした。優しい、慈しむような口づけに心が震える。 「は、ずかしいよ、俺‥全然、身体とか‥なんか、だらしねえし‥」 「そんなことない」 ケイレンはそう言ってぎゅっと閉じているジュセルの瞼に口づけると、そのまま頭を胸の方まで下げた。 露わになっているジュセルの乳首は、急に剝き出しにされたことでつんと尖っている。それを舌先でケイレンがつついた。 「かわいいし、綺麗だ」 「んあ!」 思わぬ刺激に大きな声が洩れてうッと黙る。階下にはまだみんながいるのに‥ そう考えるとこんなところでこんなことをして‥なかなか帰ってこない自分たちのことをどう思われているのかが、恥ずかしくてたまらなかった。 だが、ケイレンはそんなジュセルの思いなど知らぬげにべろりと乳首を舐め上げ、そのままぱくっと口に含んだ。 「!ふ、んっ」 声が洩れそうなのを必死に我慢する。ケイレンは口に含んだ乳首をぢゅうっと吸い上げてから舌先でつんつんとつつくようにして愛撫した。びりびりとした快感が下半身にまで伝染し、陰茎が起き上がったのがわかった。そして‥(ホト)孔からはたらりと蜜が零れているのも。 「ケイレン、‥まだ、みんな‥下にいるのに、恥ずかしいよ」 決死の思いでそう告げて終わってもらおうとするが、ケイレンは聞き入れなかった、 「構わない。恥ずかしいことなんかないよ。俺達が恋人なのはみんな知ってる。知られてたって恥ずかしくなんかない」 ‥‥‥ああ、そうだった‥この世界(トワ)では、同意のうえで性交すること自体にはあまり忌避感がないんだ‥ 急にジュセルは思い出した。そう言えば何度か子どものころ、(シンシャ)達の色っぽい場面に遭遇したことがあるが、二人ともケロッとしていたことを。見られて気まずい、という雰囲気は全くなく、早く寝ろよ〜くらいしか言われなかったっけ‥。 ジュセルがそう過去に思いを馳せている間にも、ケイレンの舌や手は色々とけしからん動きをしていた。 左手では優しくジュセルの頬を撫でながら、唇では胸への愛撫を続けている。唇の柔い部分で乳首を挟まれて、きゅうっと軽く引っ張られたときには甘く強い刺激が来て 「んああ!、い、」 いい、と思わず言いそうになって耐えた。 そんなジュセルの様子を見ている筈なのに、ケイレンの右手は勃ちあがったジュセルの陰茎をまさぐってくる。先走りで濡れた亀頭を手のひらでぬちゅぬちゅと撫でるように擦られると、もうたまらなくなり勝手に腰が揺れた。 「っ、はぁ、あ、だめ、だって、アア!」 「ジュセル‥きもちい?」 「あ、あ、そんな、しごくなぁっ、はう、あっ」 「すごく‥固くなってるよ‥ん」 「!!舐めっ、舐めるなあ!あ、あ、あ、」 じゅぶじゅぶとケイレンの唾液とジュセルの何やらが混じった音がいやらしく部屋に響く。淫らなその音に、身体がじんっと熱さを増すのがわかった。 もう、止まれない。 止められない。 「んっ、んっ、いい、いいよぉ」 「ジュセル、きもちい?‥こっちも触るな」 「は、ああ!あっ、そこぉ‥」 固く閉じたままの蜜蕾に、ケイレンのぬめりを帯びた指が迫る。トロリと蜜を零していたその孔はさしたる抵抗もなく、指を飲み込んだ。 ケイレンの細くはない指が、孔の中でくるりとかき混ぜられる。擦るようにぬちゅぬちゅと出し入れされ、孔回りを擦られているだけでジュセルはぞわぞわとした快楽が脳を侵していくのがわかった。 左手はジュセルの顔から離れ、陰茎を優しく扱き続けている。 「は、ああ、いい、きもちいいっ、ああ、ケイレン、きもちい」 「うん、もう少し慣らすから‥かわいい、ジュセルかわいいな」 「あ、は、‥あああ!」 二本に増やされた指がどこかを擦ったとき、一気に全身を貫くような快楽が奔った。びくん!と身体を震わせのけ反ったジュセルを見て、ケイレンは口の端を上げた。 「ここ‥」 「あ!ああ!あっあっ、だめ、だめだって、あああ、おかし、く」 「なって。俺の指でおかしくなってくれよ。そしてイッて‥」 「は、は、ああ、あ!」 追い詰めるかのように感じすぎるふくらみをこりこりと擦られ続け、たまらずジュセルは白い精を吐き出した。ケイレンはすかさず顔を近づけて吐き出された精を舐めた。 「甘い‥」 そう呟いて、べろりと大きくまた舐め取る。ジュセルは肩を揺らしながら息を弾ませ、ぼんやりとその淫靡な様子を見ていた。 ‥‥イケメンが、俺の精液舐めてる‥ 倒錯的な光景に、思わず目を瞑る。だが、ケイレンは一息入れる隙など与えてくれなかった。 「んあ!」 ふくらみこそ外しているが、変わらず穴の中を擦られてまたジュセルは嬌声をあげた。もう、階下のヒト達のことなど考えていられなかった。身体中が熱い。身体中でケイレンを求めている。 繋がりたい。 「‥ケイ、レン」 「‥ん?」 ジュセルの腹や自分の手についた精を舐めていたケイレンが、こちらを見た。 ジュセルはその目を見つめ返し、切れ切れになりながら何とか今の願いを絞り出した。 「もう‥挿れ、て‥」 言われたケイレンは一瞬、うッという顔をして赤くなった。しかし、すぐに体勢を変え、両手でジュセルの膝裏をそっと支えながら広げた。 いつの間にかケイレンの下衣も帯を解かれ、随分と立派な陰茎が血管を浮き立たせながらそそり立っていた。 ジュセルの蜜に塗れた孔を、こちらも先走りで濡れている大きな亀頭で撫でるようにしてつつく。 「んあ、ああ‥」 焦らさないでくれ。 ひと息に‥ そう思っているのが顔に現れたのか、ケイレンは一度くっと唇を噛みしめると、するすると両手をジュセルの太腿を滑らせながら移動させ、足の付け根の部分をがっと掴んだ。 ひくっ、とジュセルが息をのみ込んだ瞬間、 ずぶり、とケイレンの陰茎がジュセルの蜜孔の中に侵入してきた。 圧倒的な質量に息が止まりそうになる。狭い肉の中を開いていくケイレンの顔も苦しそうで、それを見たジュセルは必死に呼吸をして、身体の力を抜こうとした。 「‥ジュセル」 大きな身体を折り曲げてケイレンが口づけてくれる。深いものではなくて、唇や頬、額、瞼と、顔じゅうに唇を触れさせてくる。その様子に、たまらなく愛情を感じてジュセルは涙がこみあげてくる。 「ケイレン、好き、好きだよ」 苦しい体勢の中から必死に腕を伸ばしてケイレンの首にかける。応えるようにしてケイレンは深く口づけてきた。舌と舌が絡み合って甘い唾液が交じり合う。 その間にも、少しずつケイレンの熱杭はジュセルの中をひらいていき‥とうとう、ケイレンの下生えが下半身に触れたのがわかった。 「‥挿入った‥?」 「‥うん‥」 ぴったりと身体を合わせてケイレンがジュセルの身体を抱きしめる。顔の横に埋められたケイレンの頭が震えているように感じられた。 「‥泣いてんの‥?」 「‥‥ごめん‥情けなくて‥でも、嬉しくて‥」 ケイレンはそう言って、洟を軽くすすり上げた。

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