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発情期3※

「天さん、他の人は?」 「いるわけねえ、童貞だ。魂の番である、おまえ以外目に入らなくて右手が恋人だよ。なんか、文句あっか!?」と目を三角にしてキレた。 「いえ……そう、ですか」  天さんも初めてなことに(あん)()し、口元がゆるむ。  彼の唇が玉や会陰部、(うち)(また)に触れ、手は竿(さお)から(もも)へと移る。  陸に上がった魚みたいに身体をびくつかせていると(つぼみ)に熱い息がかかった。 「ちょっと何してるんですか!」 「ここにオレのちんこを入れて、精液を出してからうなじを噛まねえと、番になれねえからな」 「そうじゃなくて……ひっ!?」  圧力をかけられると、お(しり)の穴は、彼の親指を飲み込んだ。  今まで感じたことのない激痛に声も出せなくなり、目を白黒させる。 「小せえし、きついな。ここでオナニーしねえの?」 「……怖くて……してません……」  すぐにでも爆ぜてしまいそうだったペニスが萎え、苦痛による涙がこぼれた。  指先でダメなのに、アルファの男性器を入れられたら、確実に血が出る。  痛みを堪えなきゃ天さんの番になれないの? それとも僕が、どこかおかしい?  頭を悩ませていたら指が出ていった。 「やめだ、やめ」 「そんな、天さん!」  あきれられた。家族だけでなく魂の番にまで捨てられたら天涯孤独の身なのに……。 「僕、痛いのは嫌だけど我慢します! だから、」 「バカ言うな」 「いった!」  デコピンを食らわされ、痛む額を押さえる。 「てめえとオレは、この先の長い人生も一緒に過ごすんだぞ。無理強いして、おまえとの初めてを血まみれになんかできっか!」 「でも……」 「何も今日急いで番う必要はねえんだ。律の後ろを少しずつならして、オレも、おまえも気持ちよくできるようにしてえ。それに――」  中折れした僕を、大きな両手で優しく包まれる。 「てめえを気持ちよくさせる方法は、いくらでもある」 「ひああっ! や、……てん、さ……!」  温かく濡れた口内へ招かれ、舌だけでなく、やわらかな頬や顎の上のザラザラした部分が触れ、僕のペニスはふたたび兆した。  僕の分身を(くわ)えた天さんが、頭をゆっくり前後に動かす。 「……ん……あっ、や……やめ……出ちゃ……」  睾丸が持ち上がり、目の前にチカチカと星が飛んだ。  視線が合うと優しく微笑まれ、胸がきゅうと締めつけられる。 「あっ……ひ、あああっ!」  身体がとろけそうになりながら、彼の口の中へ勢いよく射精し、後ろの穴からも大量の愛液をこぼす。  精液はまずいと聞くのに、天さんは僕の腰をガッシリ掴んで口を離さない。長いまつ毛が、かすかに震える。  すべてを出し終え、息を整えていると天さんの口と手が離れる。  てっきり精液を排水溝の上で吐き出すと思ったのに、男らしい喉仏を何度か動かし、咳払いをひとつした。 「飲んじゃったんですか?」 「ああ。あまり、うまいもんじゃねえな」 「当たり前ですよ!」 「まっ、おまえが感じてイクとこを拝めるから嫌いな行為じゃねえ。次もヤラせろよ」と頬を指先で突かれる。  ふと天さんの下半身に目を向ければ、パンツの局部が少し膨らんでいた。  触れようとしたら素早く手を取られる。 「じゃあ、抑制剤をもらってくるな」 「でも、天さん、それ……」 「好きなやつがイクところを見れば、そりゃあな。おまけに、おまえ、発情してるし」とわざとらしく目を泳がせ、ボディソープで手を洗い始める。 「僕もシます」 「サンキュ。また今度頼む」  額に軽く口づけられ、頭をワシャワシャと撫でられた。 「おふくろと親父の乳繰り合うとこを想像すれば、嫌でも治まる。オメガの警官に薬と服を届けさせる。湯冷めすんなよ」  そうして戸を開けて脱いだ服を持ち、慌ただしく出ていったのだ。

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