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143.
* * *
カシウスがやや緊張した面持ちで扉を開けると、そこにはこんもりとした巣ができていた。
おお、これが――と妙な感動を覚えつつ、巣のある寝台へと近付く。
ジェレミー、と呼びかければ、ごそごそとその巣が動いた。
「でん、か……?」
重なり合った衣服の下から、榛色の瞳がのぞく。
熱っぽい眼差しと紅潮した頬、それにどうしようもなく惹かれる彼の匂いに自身の体温も上がっていった。
「すまん、待たせたな」
「うぅん……」
巣のなかから腕を伸ばしたジェレミーを引っ張り出す。
ジェレミーは名残惜しそうにしながらも熱い身体を預けてきた。
「ん、……ね、はや、く、」
「言われなくとも」
発情期に入ったばかりのジェレミーのくちびるを熱い呼気ごと塞ぎ、カシウスは深くくちづけた。
溶け合う感覚に頭の芯から痺れてしまいそうだった。
発情期中のジェレミーを抱くのはこれが初めてである。カシウスは期待と緊張と、うまくやれるかな? という少々の不安を胸にこの部屋へとやってきたわけだが、そういった複雑な感情は早くも吹き飛んでしまったようだった。
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