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和実の場合 - 2

なあ。 俺はしつこいし狡いよ? 歳をとった分、自分が狡猾になってるってことくらい知っている。 お前はちゃんとわかっているのか? お前は俺を好きに扱う。 俺はお前に説教しながら、少しずつ俺の好みにお前を染める。 お前に逃げる隙を与えないように。 俺なしでお前が生きていけないように。 俺はお前を誘導するよ? 「ん……和実さん……? どしたの?」 尚孝が身じろぎをして、俺の体を抱き込みなおす。 「いや。なにもないよ……なんだか、目が覚めたから、お前の顔を見ていただけ」 「まだ時間いいんでしょ? もう少し、寝ようよ……」 半分寝ぼけた声すらも可愛いとか、ホントに俺は終わってる。 「ああ、そうだな……」 「うん……和実さん?」 「ん?」 「だいすき……」 俺の首筋に顔をうずめ、はむはむとキスのような甘噛みを繰り返していたと思ったら、また健やかな寝息が聞こえてきた。 っとに。 何で可愛いんだよお前は。 愛しているよ。 俺の可愛い人。 ふっくらとした耳たぶに噛みつく。 きっとくっきり歯形が付いた。 楽しくて幸せで、小さく笑いながら俺は可愛い俺の男の匂いを胸いっぱいに吸い込んで、眼を閉じた。 <END>

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