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第56話 最終回・夢から覚めて
空港に着いて、荷物を受け取ったところで、皆と解散した。
楓と友則さんは三上家へ帰る。
淳一と紀子さんは青山のマンションに帰る。
俺と颯太は実家の家に帰る。
今日から皆がそれぞれ違う家に帰って、別の人生が始まるんだね。
なんだかホッとしたような、夢から覚めたような妙な気分だ。
「先生、もう帰ってきちゃったねえ……」と颯太。
「うん、また毎日が始まるよねえ」
俺も似たようなことを、嘆きのように言ってしまった。
実家に帰ると、「お帰り~!」と両親が迎えてくれた。
「どうだったの?」と母と父。
「うん、ありがとう。すごく楽しかったよ」
「あのね、ナポリピザがすごく美味しかったの」と颯太が報告。
「ホテルがどこも最高だったよ。颯太、本当にありがとうね。みんな感激していたよ」
なによりも颯太にお礼を言わないとね。
「うん、喜んでくれて本当に良かったよ。最高の新婚旅行になったね!」と颯太。
イタリアからの荷物がもう届いていた。
ワインに、ベネチアンは無事だった。
あと、皮製品は持ち帰ったし、空港で買ったお菓子も結構ある。
最後にローマから送った荷物は、多分あと2、3日で届くかな。
まあ、とにかく仕分けするだけで大変だな。
楓や淳一に取りに来るようにメールした。
そうだ、上川秘書には帰ってきたと知らせないといけない。
俺は上川秘書に「無事に帰国しました」とだけメールを送った。
まさか、数秒で返事が来るとは思わなかった。
『院長、至急ご相談したい件がございます。
お戻りになりましたら、すぐにお時間をいただけますか?』
画面を見つめたまま、俺はしばらく動けなかった。
楽しい旅は終わった。
上川秘書が、
「すぐに!」と言うのは余程のことだな。
ええ……? なんだろう。
でも、どうやら休む暇はなさそうだ。
ー*筆者より*ー
今までお読みくださいまして本当にありがとうございました。
ここまでお付き合いくださったこと。
本当に幸せです。心より感謝致します。
次回作を予定しています。
またお会いしましょう。
スピカナ
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