48 / 65

第48話 愛のフラッシュバック

その後、夕方まで医務室で横になっていた。 「葉月君、そろそろ起きられるかな?もう学校が終わっちゃうんだけど、おうちの人を呼ぶ?」 「あ……いえ、もう大丈夫です」 身体は重かったが、なんとか起き上がれた。 ちょうどその時、友子や吉田、樋口が迎えに来てくれた。 「葉月君、大丈夫?ノート取っておいたよ。ラインで写真送っとくね」 友子が親切に言ってくれた。 「うん、本当にありがとう。みんなもありがとうね。もう俺は大丈夫だから」 そう言って立ち上がり、みんなと一緒に駅へ向かった。 「葉月君、おうちまで送ろうか?心配だもん」 友子が眉を寄せて言った。 「ううん、もうなんともないよ。平気。さっきちょっと寝不足だったんだよね。でも寝たから大丈夫」 「そう……なの?なんだ……役に立ちたかったのに……」 少し口をとがらせて寂しそうにした。 「ふ、ありがとうね。気持ちはもらったよ。心配しなくて大丈夫。またね!」 元気に見せて別れ、電車に乗った。 でも……ショックの方が大きかった。 しばらく立ち直れない……。 海斗が、俺の片手を握って……すりすりしていた? 涙が止まらない……。 そうだ、俺は泣きたかったんだ。 海斗は、まだ俺のことを愛していてくれた! そう思っただけで、電車の中で涙が溢れた。 窓の景色が涙で滲んだ。 嗚咽を必死でこらえた。 アパートに帰っても、俺は泣き続けた。 会いたくて、会いたくて……。 せっかく蓋をしていたのに……崩れた。 天使「とおるちゃん」 いきなりそばに現れた。 「え?おばさん、来たの?」 天使「うん、だってかわいそうなんだもん。おばさんも泣けてくるよ.......」 「いいよ、おばさんまで泣かなくても。俺のことは放っておいても大丈夫だよ」 天使「いいからいいから。今だけ胸を貸してあげるから、おいで」 両手を差し出された。 その手を取り、おばさんの胸で泣いた。 * 翌日、大学へ行った。 受けなければいけない授業がいっぱいある。 一学期にいっぱい詰め込んだ。 昨夜は友子が送ってくれたノートを見て勉強した。 何かお礼をしないといけない。 駅前のスーパーで、俺が好きなはちみつミントののど飴を買った。 教室に入ると、友子が飛んできた。 「葉月君、今日はどう?心配だったんだよ」 「うん、ありがとうね。大丈夫だよ。それにノートもありがとう。これ、お礼だよ」 のど飴を差し出した。 「え?これ私にくれるの?」 「うん、少しだけど」 はにかみながらも嬉しそうに受け取ってくれた。 「昨日もありがとうね。俺元気になったよ」 そこへ教授が入ってきて、席に着いた。

ともだちにシェアしよう!