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第47話 海斗サイド・とおる倒れる
今日は医学部キャンパスから本学のあるキャンパスの医務室に行った。
教授から書類を頼まれて、席を外した医師の帰りを待っていた。
そしたら、ドヤドヤと騒がしくて、誰かが運ばれてきた。
顔を見たら――とおるだった。
なんで……?
すぐに机に置いてあった聴診器を借りて診察した。
皆がぐるっととおるを囲んでいたから、少し遠慮しつつも、
頬に軽く触れて声をかけた。
「大丈夫か?目を開けられるか?」
反応がなかった。
瞳孔を確認する。
気絶しているだけのようだが、心拍がすごく早い。
一過性のものか……?
ショックか、興奮しすぎたか、過労か......。
熱を測り、血圧も測った。
「先生、葉月君はどうですか?大丈夫ですか?」
皆が覗き込んでくる。
「うん、多分大丈夫。熱もないし、血圧も正常。
ただ脈拍が少し早いかな。
少し休めば治ると思うけど、過労かもしれないね。
普段はどうやって過ごしてるのか、知ってる?」
つい、調子に乗って聞いてしまった。
でもみんなお互いに顔を見合わせていたから、知らないようだった。
俺は話しながら、とおるの愛おしい片手をずっと握っていた。
そして、わざとらしくその手をすりすりとさすっていた。
手当てをしているように見えたと思うけど……。
実は――確信犯だ。
本当は、誰もいなかったら、その手で俺の頬を当てて、そして抱きしめたかった。
そうやっていると、担当医師が戻ってきた。
くそ……。
「あれ?どうしたの?この子」
「突然気絶したらしいです」
「ふ~ん、ちょっと診ようか」
あとは任せた。
どこも問題ないようだから、しばらく寝かせておこうということになった。
残念ながら、俺の用事は終わってしまった......。
さっきの仲間は国文科の子達らしい。
とおると同じクラスなんだ。
結構仲良くやってるんだなと思った。
とおるを褒めたいよ。
そういえばこの前、図書館で一緒に居た女の子も同じクラスの子だったんだな。
とおるが倒れて、すごく心配そうにしていた。
なかなかかわいい子だ。
うらやましいよ、とおると一緒にいられて。
ただ今は、じっと眠るとおるのそばにいたかった。
でも、これ以上いるのは不自然だ。
「じゃ、書類をお預かりしていきますね」
「うん、頼むよ。よろしく」
後ろ髪を引かれながら、医務室を後にした。
ー*-*-
筆者よりお知らせ。
明日の22日より1日に2話更新します。
時間は17時です。
どうぞよろしくお願いします。
スピカナ
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