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氷と果実

 待夜の薄い胸の、桃色の片方の突起に、碧翠堂がピアスの穴を開けたとき、待夜は、恍惚のあまり失禁した。  碧翠堂は、透明な氷を指に挟み、胸の果実を冷やした。さんざん指先で弄ばれたあとの果実は熟れていて、貫通を待ち望んでいた。  碧翠堂は、薄く開いた待夜の渇いた唇に、氷を咥えさせて、濡らしてやった。  いつもは、待夜駅のカウンターのグラスの中で透き通った音を立てている冷たい塊が、今は、待夜駅の口に咥えられ、待夜駅主人の熱情を冷ますのに使われている。冷まそうとすればするほど待夜駅は熱くなり、熱は、固体を液体に変えた。碧翠堂は待夜駅の唇から唇で氷を奪い、口に咥えて、待夜駅の身体に這わせた。いくつもの固体が液体に変わった。  波しぶきで濡れたような待夜駅の片足を碧翠堂は、海賊の宝箱にあった鎖で固定した。革の留具には、捕らえられた王子が海賊に嬲られた跡がついていた。

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