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夜の碧翠堂
鉄製の鍵をカチリと回し扉を開けると、夜の碧翠堂は、海辺の洞窟のようだった。
人魚の王子を魔法にかけるランプのオレンジ色の光と蝋燭の灯りで店の内側が照らされた。
古い陶製の人形は影を揺らし、刷毛で塗られた紅の頬になまなましく笑みを浮かべていた。
碧翠堂は待夜を古い鏡の前に立たせた。
重い鋏をとって、待夜の着ている服を切り刻んでいった。鋏の刃が触れるたびに、待夜は、口を開けて、吐息を漏らした。じょきりと小気味のよい音を立てて布地が切られていき、待夜の肌があらわれると、隙間から舌を入れて、甘い肌を舐めた。
待夜の陶器のような肌を、アンティークの宝石で飾った。
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