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屋根裏部屋

 黒々とした影は待夜駅の寝姿だった。  小さな屋根裏部屋の木の床と斜めの天井と、天井の小窓。そこから見える月。こぼれ落ちる月の光。  暗闇に浮かぶ、ひっそりとした白い木綿のシーツの灰色の皺が、人魚の住む北方の海に揺れる波のようだった。冷たい海のただ中で、つなぎ合わされる手と手。指と指。  その指を宝石で飾りたいと碧翠堂は思った。その華奢な足首を金の細い鎖で繋ぎたいと。

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