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じんわりと焦らすような愛撫と言葉。
じれったい快さが身体中を侵食していく。
僕の熱は大きな掌ではなく、湿った温かい何かに包まれた。
そう、冬馬の口だ。
舌で舐められたり、軽く甘噛みされたり。
更に高まる快感に雫がたらたらと流れ出るのを彼がちゅうっと吸い上げる。
下の口も指を増やされて腹いっぱいな感じだ。
それなのに、空いた手は僕の昂りの根元をきゅっと掴んで、吐き出させない。
「と……まっ!」
思わず彼の髪を掴んでしまった。
「痛いよ、アキ」
僕のそれを口に咥えながらもごもご言っている。くっとおかしそうに笑い、到底痛いとも感じていないようだった。
「はや……くっ」
僕を限界まで焦れさせ、やっと手も口も離す。
でも。
「おっと、まだ出しちゃダメだ。一緒にイこう」
きつく命令されたわけでもないのに、身体は従う。
「とうまっ……ぉねがいっ」
そう懇願している間に、冬馬は手際よくコンドームを怒張している自身につける。
(やっと……!)
もう涙目になっていた。
丁寧に焦らすように慣らされたそこに熱い塊が押しつけられた。
ゆっくりと体内に入り込んでくる熱を堪能する。
(熱い……)
「んん……っあぁぁ……っっ」
ゆらゆら揺らされたり、大きく引き抜いては打ちつける。そうやって緩急つけて次第に追い上げられていった。
頭が真っ白になっていく中、僕は思う。
僕は……幸せだ……。
これまでの人生で今が一番幸せだ。
穏やかな日々。
愛する男のすべては僕のものだ。
* *
詩雨。
ずっと妬ましく思っていたし、今でも嫌いだ。
でも、彼と僕は少し似ているように思える。
生まれた時から何も持っていなかった僕と、なんでも持っていた彼。
正反対のように思える僕らは似たような道のりを歩んできた。
何をされても何も感じないように装ってきた僕と、本来の性質を曲げ強い自分を装ってきた彼。
嫌いなのに、ある種の親しみも愛情も感じる。
彼に対する感情はそんな複雑なものだ。
だから、彼には幸せになってもらいたいんだ。
彼の幸せは、同時に僕の不安を払拭するものだから。
fin.
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