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第24話 そんなに気持ちよかったんですか?
岩永の唇は温かく柔らかかった。
初めて交わした口付けが、あの憧れのポスターの君という幸せすぎる出来事に宗近は興奮状態で、そのまま離れるのが勿体なくて角度を変えつつ息継ぎをしながら吸い付いた。
「……っ、はぁ」
タイミングよく息継ぎができない岩永の唇は自然に開き、そのまま舌を絡ませてくる口付けは深くなる。
こんな状態の宗近の今がファーストキスだと岩永に説明しても、きっと理解してくれないだろう。
「むね、ちかっ。……まってくれ」
息が吐けない岩永は酸欠になりそうだった。
けれど深いディープキスは脳や身体が痺れるくらいに気持ちが良くて、また交わしたい宗近は逃げ腰になる岩永の頭と腰を両腕で固定し、迫ってくる。
「あ、あああの……、むねちか」
先程まで怒りに満ちていた岩永の表情は一転して、怒られ慌てながら怯える子猫のようだった。
その岩永はワイシャツの裾を両手で握りしめながら股間を隠していた。
宗近は岩永のその両手を力尽くで退かすと、まだ口付けしか交わしていないのに、スクッと立ち上がっていた。
『こんな素人のキスで、もうこんなに反応している?!』、と、思いながらも言えた言葉はぶっきらぼうな言葉だった。
「もうこんなに反応してる」
岩永はサディストで使い込まれているはずの股間は、こんなにも迫られ反応してしまうなんて思いもしなかった。
「そんなに気持ちよかったんですか?」
こんな素人で不器用な自分の行為に反応してくれる岩永が愛しくて、つい聞いてしまった。
すると岩永は視線を泳がせて、言った。
「……たのむ、もっとさわってくれ」
さすがの鉄面皮の丸石 宗近も、こんなにしおらしく愛らしい素の岩永 誠人が見れた喜びで、表情は微かに笑顔になっていた。
宗近の表情が微かだが崩れたことに喜びを隠せない岩永はわざとらしくデレた。
「はやく、さわってくれ」
デレてやったというのに宗近の表情が崩れたのはその一瞬で、岩永の身体に手が這い始めると鉄面皮に戻ってしまった。
残念に思いながら、しかし収穫はあったかと岩永は行為に集中仕出した。
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