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第6話(榊原side)
その頃。
別の部屋で、榊原がスタッフに言った。
「あの子、次の撮影呼んで」
スタッフは困った顔をする。
「いやあの子…スタッフなんですよ」
榊原は少し黙った。
それからゆっくり笑う。
「へぇ」
「じゃあさ」
「俺の相手役にしてよ」
次の日
スタジオの奥にある小さな打ち合わせ室。
机の上には次の撮影の資料が並んでる。
「次回の企画なんですが」
事務所の担当がタブレットを差し出した。
「相手役はこの子を予定してまして」
榊原は軽く画面をみた。
若い俳優のプロフィール画面。
少し黙ってから、指で画面を押し戻す。
「違う」
担当が首をかしげる。
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