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第9話(榊原side)

「まぁ…」 榊原は続ける。 「でもあいつ」 「ほんとに興味無い顔してた。」 少しだけ笑う 「珍しい」 担当は腕を組んだ。 「でも本人断ったらどうします?」 榊原はあっさり言う。 「説得すればいい」 「ダメなら?」 俳優は机の上の資料を閉じた。 「じゃあ、俺が直接言う」 その声は静かだったけれど、迷いはなかった。 担当は深くため息をつく。 「…分かりました、一応、本人に聞いてみます」 榊原は立ち上がる ドアを閉め、ふと思い出したように 「紫崎 湊…ね」 名前を確かめるみたいに呟き 榊原は少しだけ口元を緩めた。

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