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第11話
「入っていい?」
この前、聞いた声。
人気俳優が部屋に入ってきた。
担当は立ち上がる。
「ちょうど今その話を…」
俳優は軽く手を上げ止めた。
「ちょっといい?」
「二人で話したい」
担当は一瞬迷ったが、すぐ頷いた。
「分かりました」
ドアが閉まる。
部屋に2人だけが残る。
俳優は椅子に座らず、机の端に寄りかかった。
「断ったんだって?」
湊は短く答える。
「はい」
「なんで?」
「俺の仕事じゃないんで」
俳優は少し笑った。
「この前やってたじゃん」
「あれは代理です」
「代理ならいいの?」
「あの時は必要だったんで」
「今も必要だよ」
「俺じゃなくてもいいと思います」
俳優は腕を組む。
「俺がいいって言ってる」
湊は少しだけ首をかしげた。
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