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第16話
夜、仕事が終わったあと。
湊はいつものコンビニでおにぎりを買った。
安い棚の、一番端。
2つ手に取る。
袋を受け取って外に出る。
街灯の下のベンチに座り
袋を開ける。
海苔の音が小さく鳴る。
1口かじる。
その時スマホが震えた。
画面を見る。
表示された名前ー母ー
湊は少しだけ目を細める。
電話に出た。
「もしもし」
母の声はどこか焦っていた。
『湊…』
『ごめん…』
『また…少し増えちゃって』
湊は何も言わない。
夜の車の音だけが聞こえる。
母は続ける。
『ほんとごめんね』
『でもちゃんと返すから』
湊はおにぎりを持ったまま、空を見た。
それから静かに言う。
「いくら」
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