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第19話(榊原side)

その日の夜。 撮影が終わり、スタッフが帰り始める。 榊原は外に出た。 コンビニの灯り。 その前のベンチに、湊が座っている。 コンビニの袋。 いつものおにぎり。 榊原は少し迷ってから近づいた。 「みーなと」 湊の肩が少し揺れる。 顔を上げる。 その瞬間、榊原は言葉を失った。 目が少し赤い。 泣きそうな顔だった。 でも、湊はすぐにいつもの表情に戻る。 「…お疲れ様です」 榊原は少し黙る。 「ねぇ」 湊は袋を握る。 「なんですか」 榊原は静かに言う。 「大丈夫か?」 湊は視線を逸らす。 「何がですか」 榊原は答えない。 ただ、湊の顔を見る。

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