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第25話

車は数十分で止まった。 湊が外を見る。 おにぎり専門店 湊ら一瞬だけ言葉を失う。 榊原は先に車から降りた。 「来ないの?」 湊は小さく息を吐いて車を降りた。 店の中。 炊きたての匂いがする。 ショーケースにはおにぎりが並んでいた。 榊原が聞く。 「湊だったらどれ食べる?」 湊は少し黙る。 ショーケースを見る。 それから指さした。 「…鮭」 少し迷ってから 「明太子」 榊原は頷いた。 「鮭2つと明太子2つで」 店員に言う。 湊が顔を上げる。 「そんなに食べません」 榊原は笑う。 「俺の食べるから」 袋を受け取って、そのまま湊に渡した。 「ほら」 「…ありがとうございます」

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