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第10話 好きって言いながら腰振れよ ※
「あちー。エアコンエアコン」
シャワー浴びて、タオルでテキトーに身体を拭いてパンイチでリビングに来た。
この前、海皇にもらった新品のボクサーパンツだ。なんか海外の有名ブランドのロゴが腰あたりに入ってて、黒いやつ。
「似合ってるじゃん。てか、腰ほそ」
「見てくんな。変態」
ソファにごろ寝してる海皇は、どこか満足げ。ドヤ顔うぜえ。
「じゃあ俺もシャワー浴びてくるかあ」
やたら大きく伸びをして俺にアピールしてくる。
「待ってて。すぐあがる」
「別にゆっくりでいいし」
「熱冷まされるの嫌でしょ」
「……ちっ」
海皇は時々モテ仕草を繰り出してくる。今だって、俺の顎に手を添えて顎クイってやつ? を恥ずかしげもなくやってくる。
強制的に目を合わせられて、鬱。
「おりこうな子は好きだよ」
「っうるさい!」
ガルル、と今にも噛みつきそうな俺の臨戦態勢ぶりに驚いたふりをして風呂場に消えた海皇。
俺は湯冷めしないようにソファに置いてあるブランケットにくるまる。これ、また海皇が自分家から勝手に持ってきたやつ。
ほわほわしてて、白くて柔らかい。ラビットファーって言うらしい。
そんな洒落たもの、俺の家には無かったから、本人には言わないが俺のお気に入りだ。
スマホをテキトーにいじって、天気予報とか無駄に調べて、明日は朝から雨でめんどくせえなとか思ってた。
「お待たせ」
「っ!」
腰にバスタオル巻いただけとか、こいつほんといい度胸してやがる。
鍛え上げられた腹筋とか、バキバキに割れてるとことか、こいつラーメン食った後なのに腹出てねえなとか。いろいろ頭に浮かんだけど、スイッチが入った。
「ん」
俺から噛み付くようなキスをした。ソファに座る俺の膝の上に海皇が跨る。
俺のキスをしばらく無言で見つめる海皇。唇だけは、会話していた。
「キスうまくなったな。息継ぎも上手」
一息、間を持たせてから。
「んぐっ」
「でも、まだまだ俺には敵わないな」
口の中を全て縦横無尽に舐め回されて、頭に火花が散った。
酸欠、なりそう。
舐るようなDキス。
今までよりもっと深いところまで落とされるキス。舌先が甘く痺れて言うことをきかない。
手足がだらんと脱力して、ソファに縫い付けられる。
俺は愛玩人形のように海皇に愛でられる。
そのひと時が狂おしいほどたまらなくて。
俺の存在理由の全てになりうるような印を遺してくれるみたいな。そんな欲の狭間に落っこちた。
「お前、気持ちよくなるとすぐ黙るよな」
「……うるさい。いいからはやく、俺に好きって言いながら腰振れよ」
「…仰せのままに」
ボクサーパンツの上から昂りをまさぐられる。その手つきは少し乱暴で背筋が震えた。エアコンの冷気と、自分の内側の穿つような熱との落差に頭が割れそう。
「がちがちに勃たせてそんなセリフも言えるようになったんだ。煽ってるつもり? それ効果ないよ」
「うるせえ黙れ」
「ほんとはずっとこうされたかったんだろ?」
「あっ」
昂りを布越しに触れられて言葉が洩れる。ぐりぐりと先端をねちっこくいじられて、足先がぴんと張りつめた。
「なあ、新」
「うっ」
どくん、と腹の奥が熱く煮えわたるような感覚に、息を吐いた。
「そそるな。その顔。我慢して我慢して、唇噛み締めてるの見るの」
「!?」
「俺も限界だわ。舐めて」
目の前に白いバスタオルを突き上げる海皇の昂りを見せつけられた。ごくりと唾を飲み込んで、バスタオルをめくる。
「雄くさ」
「お前もな」
圧倒的一軍強者にフェラを頼まれるのは、悪い心地がしない。
そんな自分を少し恥じた。
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