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色*

「じゃあ、今度は俺がしてあげるね」  柔らかな金色の微笑みとともに、ロッソはまたベッドにそっと寝かされる。  リンデルは自身の指を自分の唾液で濡らすと、ロッソの後ろへと触れる。  ぬるりとした感触に、ロッソは小さく震えた。  ず……と主人の指は、音もなく静かにロッソの体内へと進む。  はぁ、とロッソが熱い息を吐く気配がした。 「痛くない?」 「は、い……、んっ……」  気遣う主人に、従者はうっとりと目を細めて答える。  リンデルは、自分の指に悦びを滲ませる従者を愛しく思いながら、奥へと進んだ。 「増やすよ」  心添えつつ、リンデルがその指を二本に増やす。  ロッソの内は熱く、柔らかく、リンデルの指が三本になるのもすぐだった。 「あ……んぅ……んっ」  リンデルは三本の指を曲げて、ロッソが強く反応する部分をトントンと刺激する。 「ぁあっ、はっ、んんっっ」  その度に、従者の小柄な体はビクビクと小さく跳ねた。 「ふふ、感じてるんだね」  リンデルは嬉しそうに笑って、従者の狭い胸へと顔を寄せる。  立ち上がったままの小さな突起にリンデルが厚い舌を這わせると、従者の内がきゅうと締まった。 「ぅあ、あ……ぁぁあああっ!」  従者は、自身の口から零れた思うよりも大きい声に、慌てて自身の口を手で塞ぐ。  リンデルはそんな従者に視線で伝える。その手を離すように。と。 「っ……」  おずおずと、それでも素直に口から手を離す従者に、主人は微笑んで言った。 「俺に、ロッソの可愛い声を……聞かせてくれるね?」  ロッソの心が震える。  主人が自分の体も、心も、求めてくれる事が、いまだにどこか信じられない。  耳まで真っ赤に染めた従者がそれでもコクリと頷くのを見て、主人は褒めるようにその小さな頭を撫でた。  優しく指を抜き取った主人に、従者は手拭いを差し出す。  それを「ありがとう」と受け取って、手を拭く主人がロッソをまっすぐ見つめたまま尋ねる。 「入れるよ……。脚、持ち上げてもいい?」  尋ねられて従者は大人しく「はい」と頷いた。  それが、どういう事かも知らないままに。  そっとあてがわれたリンデルの熱いものが、ずぶりとロッソの内へ侵入する。 「ぅ……、んん……っ」  指よりもずっと硬く大きなそれに貫かれ、ロッソが圧迫感に声を漏らす。 「ロッソの中は、やっぱりあったかいね」  ふぅと小さく息をついて、主人が笑顔を溢す。  ロッソが見上げれば、主人の額はいつの間にかしっとりと汗ばんで、そこへかかる金色の髪も、ぺたりと顔に張り付いていた。  ロッソは主人が自分のために労力を惜しまず注ぐその姿に、またじわりと感動してしまう。  喜びに震えるロッソの中を、リンデルは奥深くまで分け入った。 「ぅぁ、ぁああ、っぁぁ……んっ」  ズブズブとそれが進むたびに、甘く疼くような感覚が、ロッソの身体を駆け巡る。  その度に、開いたままの小さな口から、切ない声がこぼれ落ちた。 「ん……っ、もっと、奥まで行くよ、いい?」  長く硬いそれを全部を挿し込んだはずの主人にそう言われて、よく分からないながらに従者が視線で頷く。  リンデルは両腕に抱えていたロッソの脚をぐいと持ち上げ、自身の肩へとかけ直すと、ゆっくり、さらに奥へと進む。 「ぁ……、ああぁあ……、あぁああぁぁぁっっ」  ロッソは、さらに沈み込む主人のそれに深部を侵され、酷い圧迫感と異物感に震える。  しかし、苦痛を感じる間も無く、快感がそこへ熱く追随する。  リンデルに軽く潰されて、小柄な従者がギュッと目を閉じた。 「ぁああぁぁあんんん……っっっ」  ぶるぶると震える細い身体に「痛くない?」と声をかけると、黒い瞳がじわりと開いて、視線で問題ないと返事をする。  それを受けて、主人はそこからさらに、奥へと腰を揺らし始める。 「ぁっ、ぅぅんっ、ぅ、くぅっ、ぅあんんんっ」  ロッソは未だかつて誰にも触れられることのなかったそこへと入り込まれる感覚に、生命の危機にも似た、ぞくりとした悪寒が全身を襲うのを感じる。  同時に圧迫感による吐き気と、恐怖に、指先からジンジンと感覚が抜けるようだ。  死の迫る気配に、本能が強く恐怖を抱かせる。  それなのに、主人は金の瞳を潤ませて、愛しげにこちらを見下ろしている。  愛の込められた視線に、危機感も恐怖も快感の中へと溶けてどろどろに混ざってゆく。 「ぅぁ、ん、んっ、んんんっ、ゃぁあぁっっ、ぁぁっっ」  びくびくと全身が震える。  末端が痺れて感覚が失われる程に、内側の感覚だけが鋭くなってゆくようで、快楽に溺れるロッソは、震える指を主人へと伸ばした。  リンデルは、その手を取って愛しげに口付ける。 「苦しくない?」  優し過ぎる主人の声色に、潤んだ黒い瞳が、とろりと蕩けるような眼差しで応える。 「ん。俺も、ロッソのナカ、すごく……気持ちいいよ……」  熱い息とともに吐き出される主人の言葉。  金色の髪が、窓から差し込む陽の光に揺れる。  ふわりと微笑むその笑顔が、この上なく幸せそうで、ロッソは蕩ける頭の隅で夢のようだと思った。  リンデルはロッソの腕を、自身の首へ回すように導く。  許されて、従者は主人よりも一回り以上細い両腕で、大切そうに主人の頭を抱いた。  リンデルが、ぐいと屈むようにして、身体を密着させる。 「ぁあんんっ! や、……ぁ、ぁああああんんっっ!!」  ロッソは、奥へ奥へ押し込まれるような感覚と、続く快感に嬌声が止まらない。  胸を潰される苦しさと相まって、息が、うまく出来ない。  酸欠からか頭がぼうっとして、ロッソは自分がどんなにあられもない声を上げているのかも分からなくなった。  リンデルは、ゴツ、と硬いものに触れる感触に、終点を知った。  一際高く、悲鳴に似た声を上げるロッソの姿に、リンデルはじわりと腰を引く。  が、ロッソの内はぎゅうと締め上げ、それを力一杯引き止めた。 「ぅぅぅぅぁぁぁぁぁぁんんんんんんんんんっっっっ!!!」  胸に残る僅かな息を、全て絞り取られるような声が、ロッソの震える喉から吐き出される。  リンデルはじわりと口角を上げて、締め付ける内をぐちぐちと強引に擦る。 「やっ、やぁあぁぁっ! ま、だ……っ、あぁああっっ!」  鋭すぎる快楽から少しでも逃れようと必死で身を捩るロッソへ、リンデルはさらに強く深く覆い被さる。 「も……っ、やぁぁっ、やめ……っっ! ぅああぁああぁんんっっ!!」  ガクガクと震えながら従者は助けを求めるようにその腕に力を込める。 「ぁあっ、や、やめっ……ぅあっっ!!」  リンデルは、いつも冷静な黒い瞳が快感に溺れて喘ぐ姿をうっとりと眺めながら、さらに強く腰を振る。  従者の内側は絶え間なく収縮と痙攣を繰り返し、リンデルを強く温かく包む。  その従者の唇が紫色に変わりつつあることに気付いたのは、二人ではなかった。 「こら、リンデル。やりすぎだ」  低く掠れるような声に諫められ、リンデルは顔を上げる。  いつの間に起きたのか、カースは渋い顔をしながら二人のベッドまで来ると、リンデルの肩をぐいと引いた。  ロッソがヒュウと音を立てて、その肺にようやく十分な酸素を取り込む。  青白くなりつつあった顔色に赤みが差してゆくのを見て、リンデルが謝る。 「……あ……。ごめん……苦しかったか……」  ぽつりと、そんなことにも気付かなかった自分を責めるように。 「お前は何でも、極端なんだよ」  カースの声は、言葉よりも幾分か優しい。 「……ごめん」  リンデルはもう一度、謝罪の言葉を繰り返す。  カースはしょんぼりと項垂れるリンデルの頭を優しく撫でながらも、心添えた。 「いいか、これからお前が相手をする子どもってやつは、ロッソよりももっと小さくて、弱い。忘れるなよ」 「……うん。そうだね……」  ロッソがようやく荒い息の合間から、言葉を紡ぐ。 「……主人……様……、私、は……」  大丈夫だと、気に病まないでほしいと伝えようとするロッソにも、カースは手を伸ばした。 「ロッソも、無理はするな。それは、こいつのためにならない」  涙でぐちゃぐちゃになってしまった小さな頬を、カースの指が宥めるように撫でる。  ロッソは男の言葉に、確かにその通りだと、口をつぐんだ。  しゅんと反省する二人に、カースは肩を竦めると一つため息を吐いた。 「水をさして悪かったな。俺は飯の用意しとくから、ゆっくり続けてくれ」  くるりと背を向ける男に、リンデルが慌てて声をかける。 「ま、待って、カースっ」 「ぅん?」  顔だけで振り返るカースに、リンデルが縋るように言う。 「行かないで……」  その口から零れた言葉に、カースは一瞬眉を寄せる。  どんな理由だろうと、リンデルがそう言う以上、カースに彼を置いていく事はできなかった。  リンデルを二度と置いていかないと誓った男は、渋々二人のベッドへ向き直る。  その様子に、リンデルがホッと息をつく。  カースは、寝起きで乱れた自身の柔らかな黒髪を中指ですくって耳にかけながら、尋ねた。 「……どうしたんだ」  さらりと揺れる黒髪の合間から、森色の瞳に問われて、金色の青年が言葉に詰まる。 「えっと、その……」  男は黙って次の言葉を待っている。  従者もまた、主人の言葉をじっと待っていた。 「カースにも、手伝ってほしい」  リンデルの言葉に、カースは森色の瞳を半分にして問う。 「……何を」 「ロッソを、気持ち良くするの」 「……」  黙ってしまった男に、ロッソが慌てる。 「え、あ……。いえ、その、もう私は十分……っっ」  身体を起こそうとした従者が、動いた拍子に内を擦られたのか、息を詰める。  どうやら、叱られてもまだリンデルの物は力を失っていないらしい。

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