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第18話
霧矢が目を覚まし起き上がると、身体はベタついておらず綺麗で塔矢のものであろうパジャマを着させられていた。
気を失った霧矢を塔矢が清め、服を着せてくれたのだろう。そう思うとそれ以上のことをしておきながら、霧矢は恥ずかしい気持ちになった。
顔を赤くしていると塔矢が隣ですうすうと寝息を立てて眠っていることに気がついた。
(こんな綺麗な顔で、可愛い顔してる男に抱かれたのか、)
そう思うと霧矢はより恥ずかしくなり、さらに顔を赤くした。
「きりや?」
塔矢は目を覚まし、寝起きの舌足らずな声で霧矢を呼んだ。その可愛い塔矢に霧矢の胸がきゅうと痛んだ。
(これが、愛しいってことなのかも)
そう自覚すると胸にじわじわと温かさが広がっていった。この人の隣にいられて幸せだ、霧矢は漠然とそう思った。
「からだは、へいき?」
「大丈夫だ、風呂、入れてくれてありがとな」
「ううん、寝てる霧矢のお世話するの楽しかった」
ふふ、と笑いながら言う塔矢に霧矢は恥ずかしくなった。無抵抗な自分に一体何をしたのだろうかとも思ったが、怖くて聞けなかった。
「何もしてないよ、霧矢のこと綺麗にしただけ」
「そうか、ありがと」
「霧矢、」
腕を引かれ塔矢の胸に抱かれる。自分よりも背が低い塔矢だが、意外にもその胸板は厚く、がっしりとしている。
先ほどまでこの胸に抱かれていたのか、と思うと霧矢はドキドキした。
「霧矢、大好きだよ」
耳元で囁かれどぎまぎする。塔矢はギュッと霧矢をさらに強く抱きしめた。
「愛してる」
そう言われ、嬉しさのあまり霧矢の瞳からポロ、と涙が溢れ落ちた。
「き、霧矢!?どうしたの!?」
突然泣き出した霧矢に塔矢は狼狽えた。それもそうだ、愛を囁いたら泣き出したのだ、先ほどの行為が激しすぎたため嫌われてしまったのでは?と塔矢は慌てた。
「塔矢、俺も塔矢が大好き、愛してるっ……これからも、俺のそばにいてくれ……!」
「っ!もちろん、霧矢が嫌ってほど愛してそばにいてあげる!」
霧矢の言葉に安心した塔矢は、満面の笑みでそう答えた。そしてどちらからともなくそっとキスをした。
運命の人に出逢ったら変わるもの、霧矢にもやっとその言葉の意味がわかった。
自分にはそんな人いるはずがない、出会うわけがない、そう思って過ごしていた自分に言ってやりたい気分だった。
お前は誰より俺を愛して、大事にしてくれる人に出会うよ、と。
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