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「どうして……」  ぼくよりも可愛い子はたくさんいると思うのに、どうしてよりによってぼくなの?  あまりの緊張で否定することも忘れてしまった。  バクン、バクンと心臓が大きく鼓動する。 「男を抱いたことなんてないから俺も抱いてみたいなっていう興味本位と――あとは1年でも人気者の金色くんがどうしてキミみたいな子を好きになったのかっていうことに興味がある」 「……ぼくは……」  金色くんしか好きにならない。  優しい彼だから惹かれたんだ。  だから先輩の言うことは聞けない。  そう言おうとしたら……。 「俺を振ってもいいのかな? 『金色くんに男の恋人がいる』なんて言いふらされたら困るでしょう?」 「っつ!!」 「俺の言葉とキミの言葉。みんなはどっちを信じるかなぁ?」  先輩のソレは脅しだった。  先輩と付き合わなければ、男同士で恋愛しているって言いふらすぞっていう脅し――

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