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 人気な先輩と、何をしてもダメなぼく。  どっちの言うことを信じるかって言ったら、そんなの先輩の言葉に決まっている。  金色くんとの仲がバレてしまう。  ――ぼくはいい。  何をしてもダメダメなぼくは、今さらみんなの目を気にしたってしょうがないから……。  だけど、勉強も運動も、何でもできる金色くんが同性を抱いているって知られたら……。 「返事は明日。放課後、屋上で待ってるよ。一くん」  ボソリと耳元で告げられて、そこから意識が途切れてしまった。 「……っつ!」  …………どうしよう。  ぼくは机に突っ伏して、答えが見つからない質問を自分自身に投げかけ続けた。 「イチくんごめんね、先生に荷物運びを手伝わされちゃって……」  気がつけば、ぼくの目の前に益岡先輩はいなくて、優しい金色くんが立っていた。  外は真っ暗で、お月様が見える。  時計の針は6時30分を指している。

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