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 先輩……先輩、金色くんをなんとかして……。  そう思って先輩を見上げれば、中心を抑えてぼくを見下ろしていた。  ほっぺたが赤く染まっているような気がする。  それに、なんだか目の奥が光っているような……。  怖い。  怖い。  恥ずかしい。  ヤだ。  そんな目でぼくを見ないで!! 「っふ……」  涙がじんわりとまたあふれ出す。  それなのに、いつも優しい金色くんはどこにもいない。  いつもなら、泣きべそをかいているぼくの頭を撫でてくれて、大丈夫だよってそう言ってくれるのに……。  ぼく、そんなに嫌われちゃったのかな……。  そう思うと悲しい気持ちが胸いっぱいにひろがっていく……。 「もうそろそろかな? 中もなでなでしてあげるね」  だけどやっぱり金色くんは、ぼくのことを見てくれていない。  ぼくのズボンを膝まで下ろした。  そして――……。

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