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☆
はじめは言われたことが理解できず、ただただされるがまま、二本の指に舌を擦られていた。
だけど少ししてからやっと言葉の意味がわかった。
先輩の目の前で、金色くんはぼくを抱く気なんだ。
――ダメ。
そんなことをしたら、せっかく金色くんの評判を落とさないようにと益岡先輩と付き合うことにしたソレがぜんぶ水の泡になってしまう。
そんなことをしたら……金色くんの立場がいっそう悪くなる。
「ん、ぁふっ、んぅっ」
こんなこと間違ってる。
一生懸命体を動かして逃れようとするのに、金色くんはぼくが感じる場所をよく知っている。
ぼく自身の裏に爪を立てて擦ってきた。
「っふ、ぁあっ」
ふにゃりと体が力を無くす。
口は金色くんの指が突っ込まれているおかげで閉じることができなくて、唾液がダラダラとあごを流れていく……。
「上も下も垂れ流しだね」
「うっふ、はふっ……」
いや。
こんなのイヤだ。
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