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第1話

side:冥々廻 非常に不愉快である。 目の前の男に弱みを握られるとは。 赤羽の飲み屋で、今、目の前で談笑している男は箱部手裕太。 俺たちは遺書屋という殺し屋で、現在タッグを組みバディで活動している。 「なあ、冥々。例の噂って本当?冥々が身体売ってるって話。」 「俺が女と鬼枕って話?」 「いや、冥々さ。男と寝てるだろ。」 「タチ専だけど、な。」 本当だ。俺は【タチ専門】ゲイ向け風俗で最近手伝いをしている。SMコースがいけるのは貴重な人材らしい。 なにやら、緊縛だの鞭だののハードプレイ、かつ、上質な道具を使ってプレイをする人口はあまり多くないらしい。 「いや、そういう問題じゃないだろ。」 …その通り、だが。 「遺書屋の仕事、メンコンの本業、ヘルプのゲイ向け風俗。別にどれも過不足なくやってるよ?俺。」 嘘である。最近ゲイ向け風俗の予約が入りすぎて目の下に隈を作る日が少なからずある。 「冥々は嘘つきだね。遺書屋、というか裏社会に嘘はつきものだけれど。」 「…どうかしたか?」 「いや、冥々は俺との約束覚えてるのかなって。」 「約束…?」

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