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第6話
side:冥々
アロマキャンドルの匂い。
たしかこれはジャスミンとホワイトムスク。
「…まさか男を抱くとは思わなかったけど、廻を抱くのは気分がいいよ。凄く。」
ふわり、と花が綻ぶような笑顔で笑いかけられる。いつもの笑顔とは違う、甘い顔をしている。
全身で俺のことを大事だよ、と伝えてくるような優しい声と、手つき。
…柔らかいものと、リップ音。
「…キス?した?俺に…。」
「うん。した。廻が可愛いかったから。」
…裕太が、欲しい。早く、欲しい。
「ゆうたあ、…もっとキス、」
口を尖らせて強請ればすぐにベッドに押し倒された。優しい手つきで。
「勿論。」
そう答えた彼の口は、額、瞼、耳、唇、と下っていく。
乳首、お腹、お臍。そのあとは…
「…ぁ、ぁ…」
甘い声が漏れ出てしまう。普段はこんなメスみたいな声出ないのに。
「咥えんなぁ、ばーか、」
「なんで?」
チロチロ、と出口を裕太に弄ばれる。
「すぐ、イッちゃう…そんなの、だめ」
「だめ、じゃないよね?」
…だめなんかじゃ、ない、けれど。無理をしていないか不安になる。
「無理、してない?裕太はノンケだし…」
「誰か廻に対して無理してるって?今更するわけないでしょうが。」
そうか…そうだよな。なら、全て身を委ねてしまいたい。
「裕太…気持ちいい。」
「分かってる。先走りどろどろだから。可愛いね。」
年下の男に今から俺は初めてを奪われるのか。
彼に暴かれて、穢れた感情をきっと彼は、…裕太は肯定してくるだろう。
「改めて。抱かせて?冥々。…廻。好きだよ、廻のこと。」
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