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第7話

 真木の尻から俺のモノを抜き取ると、精液の溜まったコンドームの先がとぷんと揺れた。 ズボンを履きなおし外したコンドームを括ってゴミ箱に捨てに行く。  ソファに寝ころんだままの真木の近くに寄り、ポケットの中の鍵で手錠を外してやった。  瞬間、飛んできた張り手を片手でがしっと捕まえて、もう片方の腕も握ってやる。 「チッ」  張り手が叶わなかったことに真木が舌打ちをするが無視して真木の顔を見つめる。 「……どういうつもりですか、こんなことして」 「付き合おうぜ」 「順序がおかしいでしょう!!というか、どっちもαの男同士なんて……不毛です!」  それは俺もそう思う。  俺はゲイだが、ゲイであるがゆえにゲイの性質についてぐるぐる考えすぎて現実を受け入れてしまっていた。  αの、男同士。何も生み出さない。生み出せない。  Ωとの間にある強い結びつきも、俺達の間には無い。 「僕たちはαで……いつか運命のΩと結ばれることだってできたはずなのに……そうまではいかなくとも、α同士だって……女性となら子供だって産んでもらえるのに」 「それは人によるだろ」 「うるさいですよ!!普通はそうでしょう!!」 「普通じゃねーのは、嫌か」 「当たり前です。会長はどうだか知りませんが……うちは会社を経営してますから、政略結婚だって視野に入れてるんです。名家のΩや女性と番うんです、僕は!」 「じゃあそれは全部無しで。俺の傍に居てくれ」 「なっ……」 「好きだよ、優吾(ゆうご)」  俺は真木の目を見ながら、真木の名を口にした。  真木のことは、昔から好きだったわけではない。  幼稚園の頃、俺は活発な部類だったのでそういう奴としかつるんでいなかったが、小学校からは親に何か言われたのか、それとも自分の意志でか、二番手として俺の側にはいつも真木がいた。  付き従っていたと言っても良いほどだった。  お山の大将の俺の側で、大人しいがαとして精一杯現実を生きていた真木。  中学に入り俺が自分はゲイだと自覚してからも、真木はずっと俺の傍に居た。  俺は学園内で密かに人形のような美しい男やスポーツで汗を流す爽やかな色男に惚れたりしていたが、結局どの恋も口に出せるわけもなく。  勝手に恋して勝手に失恋して。  そうして季節は巡って行った。  俺は真木のことをそんな目で見たことは無かった。  単純に一緒にいる時間が長すぎたのだ。  二番手の男として名高く、俺ほどではないがΩや女にモテる真木。  中学の内に真木と噂になったΩや女たちはいたが、俺はαの男だし関係ないと考えて、真木と付き合ってきた。  だが、高校に入って、生徒会長に指名されて、意図せずとも生徒会という俺のハーレムが完成していたと気付いた時、真木は俺の中で二番手の友人ではなく、恋愛対象へとシフトチェンジしたのだった。

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