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第8話

 最初は真木だけでなく、会計、書記、庶務、広報全員との妄想をした。  抱く方も、抱かれる方も。  全員と妄想の中で致したどころか、AVのように全員にマワされる妄想までした。  その時俺は俺のハーレムにハマりたてで、よく考えずに抜きまくっていた。  それが時間が経つにつれて冷静になって……、俺は誰と結ばれたいのかを真剣に悩むようになっていた。  誰にも受け入れられないことは承知の上だった。  なぜならこいつらはゲイじゃない。  Ω同士は発情期にお互いで慰め合うこともあるらしいが、αの男同士はそんな間違いを起こさない。  それがΩ相手や女相手ならまだしも、αの男同士にワンチャンなんてものは無いのだ。  俺は誰なら俺を受け入れてくれるか、なんて受け身な考えにまで達していた。  勿論俺がαの男である限り誰も俺のことなど受け入れないわけだが、それでも強いて言えるならばだ。  そして、俺は考えるのを辞めた。  俺はいつも強者として生きてきた。  誰かに受け入れてもらえるかどうか……そんな風に他人の顔色を窺って過ごすのは俺にとって死ぬほど苦痛だった。  そして、そんな傍若無人な俺の隣に、いつも何食わぬ顔をして付き従う存在――真木に、俺は気が付いたのだった。  過去に惚れていた奴らを、隙を見て眺めていたのと同じように真木を見て……あの堅苦しい口調で言葉責めされながら致す妄想をした。逆に大人しいあの気性で俺を受け入れて俺に責められながら喘ぐ真木の姿を妄想もした。  俺は真木に夢中になっていた。 「俺は、お前にふさわしい男だと思うが」  俺は真木の腕を握りながらおでこを突き合わせた。 「ふさわしいとか……そういう問題じゃないでしょう。家のこともあるし……将来のことを考えても、αの男同士が恋人関係になるなんて、おかしいです」 「会社なら、俺が婿入りすればどんな風にだって成長させてみせる。俺は有能な男だ」 「これから運命の番を見つけることだってあるかもしれないし」 「それは問題ない」 「何がですか」  俺がゲイだからだ。  ゲイの俺は運命の番のΩが現れても何もしてやれない。 「問題あるとしたらお前の方だな」 「問題しかありませんが」  真木に運命の番が現れたとしたら、俺は真木を縛っておけるだけの何かを持っていない。  だからせめて、俺が抱く側でいてやればいいんじゃないかと思う。  αの男の運命の番はΩだ。Ω相手、運命の番相手じゃなくても普通相手をするなら女だ。  どうしたって真木が抱く側になる。そうなったときに俺のことが頭から離れないぐらい、真木の身体を俺で慣らしておけば……。  真木が、抱かれる側の気持ちよさからもう離れられなくなるぐらいに沢山セックスしてやろう。  俺はそう考えると、もう一度真木の腕を握り締める。

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