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番外編3
番外編3
夜。ベッドに横になり、天井を見つめている涼真は、まだ昼間のことを引きずっていた。体の奥に残る熱と、ほんのり鈍い感覚。頭では落ち着いてるはずなのに、胸がまだざわついている。
「……なぁ」
低い声が耳に届く。振り向けば、薫がベッドの端に腰掛け、煙草をふかしていた。部屋の灯りは落として、スタンドの明かりだけがぼんやり二人を照らしている。
「……なに」
「まだ、したい?」
「っ……な、なに言ってんだ……」
「顔見りゃ、わかんだよ」
煙を吐きながら、薫がにやりと笑う。涼真は熱を帯びた頬を隠すように顔を背ける。
「……してぇだろ」
「っ……ちげぇ、……そんなわけ──」
「……じゃあ、証明しろよ」
涼真が振り返る前に、薫は煙草を灰皿に押し付け、体を覆いかぶせてきた。そのまま、唇を重ねる。深く、甘く、奪うように。
「んっ……ぁ、っ……!」
舌を絡められ、息が乱れる。薫の手が服を脱がし、涼真の素肌を露わにする。
「……今度は、後ろな」
耳元で囁かれ、涼真の体がびくりと跳ねた。
「っ、や……ま、待て、っ……!」
「待たねぇよ」
あっという間にベッドへ押し付けられ、下着を剥がされる。薫の指がゆっくりと奥をなぞると、昼間の名残りでそこはまだ敏感で。
「んっ……っ、や……っ」
「や?でも、ほら……もう入りそうだぜ」
「っ……うるせ……っ」
指が中に押し入ると、涼真の喉から震えた声が漏れた。
「っ……あ"……っ、おっ……や……っ」
「すげぇ、もう……柔らけぇな」
「う、るせ……っ……」
薫がゆっくり、二本目を足す。涼真の腰が震え、シーツを握りしめる手が白くなる。
「んっ、あ……っ、やっ……ふ、深……っ……あ"っ」
やがて十分に開いたところで、薫が自分を当てた。腰を寄せ、ゆっくり押し込む。
「っ……! っあ"……っ……!」
「涼真、ほら……奥まで」
「っ、くっ……んんっ……!」
全て飲み込んだ瞬間、涼真は声を押し殺した。でも、薫は許さない。
「声、出せよ」
「っ……で、き……っ」
「できるだろ」
腰をゆっくり動かし始めると、抑えていた声が勝手にこぼれた。
「んっ……っあ"っ……お"っ……! や、っ……っ、はっ……ああっ!」
薫は腰を打ち込みながら、涼真の首筋に唇を寄せる。肌を噛むたび、涼真がびくりと震えた。
「っ……あっ、や……そこ……っ……!」
「……ここ、いいんだ?」
「っ、う、そ……っ……んんっ!」
薫が牙のように軽く歯を立てた瞬間、涼真の声が跳ね上がる。
「やっ……やめっ……っ、そこ……しるし、っ……」
「そうだよ。……お前、俺のだろ」
「っ……あ"っ……っ、あああっ!」
首筋に深く噛みついた瞬間、涼真の全身が痙攣した。腰を止めようとするが、薫は強く抱き寄せて、さらに奥を突き上げる。
「っ、あ"っ、お"っ……や、っ……イグッ……! イグイグっ!!」
「イけ。……俺の名前呼んで、涼真」
「っ……か、薫……っ! 薫っ……あああっ!!」
涼真は涙をこぼしながら、声を枯らして絶頂した。薫はそのまま奥で一緒に果て、涼真を強く抱きしめる。
「……いい子だ、涼真」
「っ……は……っ……薫……」
しばらく、二人は絡まったまま呼吸を整える。涼真は頬を薫の肩に押しつけ、震える声で呟いた。
「……俺、もう……逃げられねぇな……」
薫は笑って、首筋に唇を押し当てる。
「最初から、そのつもりだったけどな」
番外編4
朝の光が薄く差し込む寝室で、二人はまだ互いの体を抱きしめ合っていた。涼真の胸は薫の心臓の鼓動に押され、まだ熱を帯びている。
「……昨日の、まだ余韻残ってるな」
低く笑いながら、薫が涼真の耳元で囁く。
「っ……あ、あぁ……」
恥ずかしさと快感で声が漏れる。
「……ほら、シャワー行くか」
薫が涼真の手を取り、浴室へ連れて行く。湯気の立つ浴室で、二人は自然に互いの服を脱がせあう。温かい水が肌を滑り、触れ合うたびに体が反応する。意地悪をするように薫は焦らす。
「……薫っ、んっ、やっ、あ……っ」
「声、我慢すんなよ。濡れてんのもわかる」
「っ……あ、ぁ……や、くっ……」
「気持ちいいか?」
「んッ……バカっ……焦ら、すな」
「はっ、そりゃ悪かったな」
薫は背後から抱きしめ、腰を押し付ける。涼真の体が熱く震え、背筋を伝う快感に声を荒らげる。
「っ、んっ、あっ、く……やばいっ……」
「そんなに敏感なのか……いいな、もっと俺に見せろ」
涼真は思わず腰を反らせ、薫の手に応える。前から抱きしめ、首筋に唇を寄せ、熱く甘く責め立てる。
「っ、あぁっ、い、イグッ! んんっ……!」
濁点混じりの喘ぎ声が、湯気の中で響く。薫はその反応を楽しみながら、ゆっくりと腰を押し入れ、さらに奥へ。
「っ……あ"っ、や、やばいっ……!薫っ……ああっ!」
涼真は首筋を噛まれるように熱く抱かれ、初めての快感に理性を失った。
「……まだイッてねぇだろ」
「う、うるせっ……でもっ、い、イクッ、いっちゃうっ……!」
「イイんだよ、涼真……全部受け止めてやる」
そのまま二人は絶頂を重ね、湯気と体温に包まれて、甘く乱れた朝を迎えた。
番外編5
次の日、普段通りのスーツ姿に着替えた二人は出社する。
社内では真面目に書類を扱うが、二人だけの秘密がある。
昼休憩、薫がコーヒーを渡す時、手を少しだけ握る。涼真は顔を赤らめつつも、指先で返す。
「……昨日のこと、考えてたろ?」
「っ……な、なに言ってんだよ……」
「いや、手の動きでわかるんだよ」
「っ……あ……や、やめ……」
昼休み、社内の人気のない場所でこっそり唇を重ねる。周囲には見せない、二人だけの秘密。
「……俺、やっぱ薫のそばにいると安心する」
「……バカ、当たり前だろ。俺以外に触れさせねぇよ」
「っ、……そ、それって……ずるい……」
「ずるいのはお前の方だろ、甘えてんの」
コーヒーを持つ手も、歩く時の肩寄せも、耳打ちも、全てが二人だけの合図になっている。社内では普通の同僚だが、互いの胸の奥では、あの夜の余韻と愛が熱く絡まっていた。
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