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番外編2
番外編2
休日の午後。涼真はソファに座って、斜め前で煙草を吸っている薫を見ていた。カーテン越しに差し込む光が、薫の髪をやわらかく照らしている。
「……なに、そんなに見て」
灰を落としながら、薫が低い声で笑う。
「……別に」
「別に、ねぇ」
涼真は目を逸らし、唇を舐める。けど、言葉が止まらない。
「……薫って、さ」
「ん?」
「……キス、うまそうだよな」
──その瞬間。
「……は?」
低く吐き出された声と同時に、薫が煙草を灰皿に押しつけた。次の瞬間には、涼真の肩を掴んでソファに押し倒していた。
「っ……お、おい薫っ……!」
「煽ってんの、どっちだよ」
「ち、違……」
「違わねぇだろ」
押し倒され、薫の顔が至近距離に迫る。熱い吐息が肌を撫で、耳元で低く囁かれる。
「……してほしいんだろ?」
「っ……」
言葉が出ない。代わりに、薫の唇が強引に奪った。
「ん、っ……ふ……っ……」
舌を絡め取られ、喉の奥まで侵入してくる。息が詰まりそうなのに、逃げられない。むしろ──もっと、ほしくなる。
「っ……薫……や、っ……」
「や? なにが?」
「……やめ……らんねぇ、から……っ」
涼真の声が震える。理性が、溶けていく音がする。薫の手が、服の中に滑り込んだ。撫でられるだけで、背中がゾクリと震える。初めてなのに──いや、初めてだからこそ、何もかも敏感で。
「……こえぇくらい、あったけぇな」
「薫……っ」
薫の指先が胸を擦り、腹を撫で、下へ下へと降りていく。
ベルトを外す音が、やけに響いた。
「ぅ、……や、だ……っ、待って」
「……嫌なわけねぇだろ、その顔」
「ちげぇっ……! こんなん……っ、は、恥ず……」
「恥ずかしいとか、今さらじゃねぇ?」
笑いながら、薫はズボンを引き下ろした。涼真の反応を楽しむみたいに、わざとゆっくり扱く。
「ん、ぁ……っ、やっ……」
「ふはっ、かーわい」
次第に速くなる動きに喘ぎ声が自然と漏れ出す。
「んッ、あっ、」
「1回出しとけ」
「んぁっ、イクッ、イクイクッ」
腰を跳ねらせ涼真は達する。はぁはぁと息が乱れて体を薫に預ける。
「指、入れるぞ」
「ん、」
後ろの穴に薫の指が入っていく。初めは違和感が走る。次第に快感を拾っていく。薫の指は出たり入ったりを繰り返し、指の本数も増えていく。
「ふはっ、もう三本入った」
「っ……言うな」
「んでだよ、気持ちいいんだろ?」
「っるせ、あっ、」
ある場所を指が掠めた時、ビクッと体をしならせ甲高い声を上げる。
「おっ、ここ、いいのか?」
「まっ、やめっ、」
「嘘つけ、物欲しそうにしてんぞ」
薫は執拗に''そこ"前立腺を責め立ててくる。
「あっ……あっ……なんかっ、へんっ、けどっ……気持ち、いい」
「もう可愛すぎ」
「んッ……あっ……もっ……イクッ」
「イケよ」
「あぁっ...///」
二度目の絶頂。気持ちいい、けど、もう、
「はっ、薫、薫」
「ん?」
「も、いいか、ら、欲しい」
「っ、お前、煽りすぎ。いいぜ、いれてやる」
ゆっくり、腰を動かして入ってくる、涼真の指がぎゅっとソファを掴んだ。
「っ……く……っ……!」
「力抜け、涼真」
「……っ、無理……っ」
「……大丈夫だ、俺だけ見とけ」
ゆっくり、奥まで。涼真の喉から、押し殺した声が漏れる。
「……っあ、ぁ……っ……や、ば……っ」
「ん? 痛ぇか?」
「ちげぇ……っ、なんか……やばい、っ……」
薫が腰を押し込んだ瞬間、涼真の全身が跳ねた。
「おっ……! あっ、や……やば……っ、んんっ!」
「……声、たまんねぇな」
「うるせっ……! し、しゃべんな……っ」
「しゃべんな、ね。じゃあ、声で教えろよ。……どんくらい気持ちいいか」
薫がゆっくりと腰を引き、また押し込む。そのたび、涼真の声が勝手に溢れ出す。
「っ……やっ……んんっ! あ"っ……お"っ……! う、そ……っ」
「……今の、やべぇな」
「うるせっ……あっ、あっ、や、っ、ああっ!」
やがて、涼真は目を潤ませながら必死に縋る。
「薫っ……!も、むりっ、イク、イクイクっ!!」
「まだだろ。……もうちょい、我慢しろ」
「っ……や、だっ……っ、むりっ、でるっ!」
「……罰な。勝手にイッたら、今日はここで終わり」
「っっ……! そ、それは……や……っ」
腰を止められて、涼真が涙を滲ませる。その顔に、薫は小さく笑った。
「……素直でいい子だな。ほら、もうちょっと」
「んっ……ぅあ……っ、あ"っ……あっ、やば、やばいの……くるっ!」
「いいよ、涼真。……イけ」
その一言で、涼真の体が弓なりに反った。
「っ……イグッ!! んんんっ!!」
喉の奥から漏れた濁った声とともに、涼真は絶頂した。薫がしっかり抱きしめたまま、背中を撫でる。
「……初めて、中でイッたな」
「っ……や、だ……言うな、っ……」
「なにが。……めちゃくちゃ、可愛かったのに」
涼真は肩で息をしながら、顔を薫の胸に押しつけた。震える声で、ふと零すように呟く。
「……俺なんかが、幸せになって……いいのかな……」
薫は一瞬だけ黙り、それから低く囁いた。
「バカ。……お前じゃなきゃ、俺は幸せになれねぇよ」
その言葉に、涼真は堪えきれず、涙をこぼした。
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