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プロローグ

 『これでずっと一緒にいられるんですか?』  『そうだよ』  愛しい恋人は草の根をきつく結んだ月見草を割れ物に触れるような慎重さで手のひらに乗せてくれた。一歩でも間違えたら願いが叶わなくなってしまうような切羽詰まった恋人の表情にぐっと背筋が伸びる。  きっとこの子ども騙しなおまじないを信じているのだろう。  なにかに縋りたくなるほど、自分tあちの置かれた状況は楽観できるものではない。  朝日を浴びて白色の花弁がピンク色に変わる。時間がきた。  『ずっと、ずっと一緒だよ』

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