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第二章:深まる絆と葛藤2
***
友則さんが来て、店が閉店間際になった頃。僕は、ずっと胸の奥にしまっていた言葉をようやく口にする決意をした。
「友則さん、すみませんが少し残ってもらえますか。……話があるんです」
暖簾を下ろしたあと、静まり返った店内で僕たちは向かい合った。母さんは奥で休んでいる。今、この空間にいるのは僕と彼だけ。
緊張をひた隠して意を決し、友則さんの肩に手を置いた。驚いたように目を瞬かせる彼に、まっすぐ言葉をぶつける。
「僕、友則さんの支えになりたいんです」
「……支え?」
「年下の僕じゃ頼りないかもしれません。でも、傷ついたままでいる友則さんを、放っておけないんです」
その一言で何かを察したのか、友則さんの視線がゆらゆら揺れた。その後まぶたが静かに伏せられて、沈黙が落ちる。拒まれたのかと思って、胸がひどく締めつけられたが、それでも言葉を続けた。
「……だったら、どうして公園でのキスを受け止めてくれたんですか?」
問いかける物言いが、少し強いものになった。
「そ、それは……驚いて、つい……」
「でも友則さんは、あの時拒まなかった。だから僕……あの続きがしたいんです」
耳元に顔を寄せてそう囁くと、彼の呼吸が微かに乱れた。触れそうで触れない。逃げ場のない距離をわざと作ったのは僕。けれど強引に逃れようとしたら、力ずくで逃げることもできる。
「拓海くん、俺たち――」
二の句を彼が探す前に、僕はそっと唇を重ねた。深くでも激しくでもなく、想いを伝えるように静かに。
繊細なキスに友則さんの体がぶるりと震え、やがて力が抜けて僕の腕に寄りかかる。
(……この感じ。年下の僕がリードするの、なんか癖になる――)
スラックスからワイシャツを引き出し、手のひらを下に滑らせ、感じるように肌を直接撫でる。伝わってくる温かさと滑らかな肌を指先が捉えた。友則さんが「んっ……」って小さく甘い声を漏らしただけで、僕の興奮が頂点に達する。
そのまま彼をカウンターに押しつけ、スラックスのベルトを緩めた。
「ちょっ、何を!?」
「友則さん、僕にまかせて。癒してあげる」
カタチの変わった彼を手に取り、優しく扱く。途端に友則さんの息が荒くなって、恥ずかしそうに僕の肩に顔を埋める。
「拓海くんダメ、だよ……あっ!」
僕はそのまま跪いてそれを口に含み、ゆっくり丁寧に動いた。友則さんの過去の傷を、僕の優しさで塗り替えるみたいに。
「や…め…っんん……ぁ」
フェラを続けながら、手で体を撫でる。感じるたびにビクつく彼の反応が可愛くて僕自身も硬くなってるけど、今は彼優先だ。
「やぁっあっ…んあっ…イくっ!」
友則さんが小刻みに腰を動かして絶頂すると、口に熱いものが広がる。迷うことなくそれを飲み込んで、脱力しきった体を強く抱きしめた。
「好きです、友則さん。もっと僕に頼ってください」
僕の告白を聞いた友則さんは息を詰まらせ、迷うように僕の背へ震える腕を回した。その仕草ひとつで、彼の中にある葛藤の深さが伝わってくる。
「拓海くん、君の優しさに甘えてしまったら……置き去りにされた自分の弱さが、また顔を出してしまう。そんな自分を見たくないし、見せたくもない。あの人のときと、同じになってしまうから」
弱りきった声で告げる彼に、僕は首を振った。
「僕は違います。“代わり”じゃなくて、“これから”を一緒に作りたいんです。だから、怖くても僕を信じてください」
友則さんは何も言わず、ただ静かに目を閉じた。その瞳の奥にまだ迷いが宿っているのを感じたけれど、同時にほんの小さな光も見えた気がした。
僕は心の中で誓う。この絆を、過去の痛みごと包み込めるくらいに強くしていこうと。
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