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第7話

ユキの帰った後ゲームを片付け、いつも通り母さんの用意した夕飯を食べて、風呂に入って、寝る準備をして、ベッドに入ったけど寝れるわけがなかった。 ぐるぐると答えの出ないことを考え続け、寝たのか寝てないのかよくわからない状態で朝を迎えた。まぁ多分寝れていないので、最悪の気分だった。 そうは言っても今日も学校はあるわけで、のろのろと準備を始める。母さんにも顔色が悪いから休む?と聞かれたので、多分顔色は悪いらしい。 朝の8時と少し前、インターホンが鳴る。ユキが迎えにきたのだ。昨日もこうして来てくれたのかと思うと申し訳なくなった。 「おはよ、コマ」 「おはよ」 「なんか顔色悪い?昨日ちゃんと寝た?」 「あんまり寝てない、でもだいじょーぶ」 「本当に?あんまり無理しないでね、何かあったらすぐ言うんだよ?」 「うん」 当たり前にユキにも寝不足なことがすぐにバレてしまった。ユキのことを考えてたらあんまり眠れなかった、なんて口が裂けても言えるわけなくて、ユキに心配されつつ学校へ向かった。 昨日とは通学路はいつもと同じはずなのに、昨日とは違う景色のような気がした。隣にユキがいるだけで、こんなにも気分が違うなんて、俺はなんて単純なんだろうか、と己の単純さも心配になった。 学校へついて、授業が始まる。先生には申し訳ないけど、バレないように授業中にこっそり寝たりなんかして午前中をなんとか乗り切った。 午前は長かったけど、今日はユキと昼飯が食えるし!なんて単純なことで喜ぶ自分に改めて少し呆れたけど、ユキの隣にいれるだけで今の俺は嬉しいのだ。 ウキウキしながら母さんの用意してくれたお弁当を持ってユキの元へ向かう。 「ユキ、昼飯食べようぜ〜!俺、今日購買も行きたくてさ」 「うん、いいよ。俺も飲み物買いたいから行こう」 「雪弥くん!」 二人で財布も用意して教室を出ようとすると、ユキが誰かから呼び止められた。振り返って確認すると、野木さんだった。 「野木さん?今日は約束してないよね?」 「あ、ご、ごめん、そうなんだけど、今日お弁当作ってきてみたの、だから、その……」 「約束もないのに突然そういうことされるの迷惑なんだけど」 ユキは凡そ恋人に向けないであろう冷たい表情と声で野木さんに話しかける。野木さんは少し萎縮しちゃってるし、ユキは冷たいままだしで俺が一番いたたまれない。ユキはなんでそんなに恋人に冷たいんだ……!? 「ユ、ユキ!俺のことはいいから野木さんと食べてこいって!俺はあいつらと食うからさ!な!」 昨日昼飯を食べたメンバーを指しながら俺はそう言った。なんで俺がユキと野木さんが上手くいくようにカバーしなきゃなんないんだ、なんて思いながら。 「コマは、コマは本当にいいの?」 「な、にが?せっかく野木さんがお弁当作ってくれたんだから、食ってやれよ、な?」 ユキは真剣な顔でそう聞いてきたけど、俺はユキの目がまともに見れなかった。俯きながらユキの背中を押して教室から追い出そうとする。 「わかった、コマが言うならそうする。でも放課後は一緒に帰ろう?今日の埋め合わせするから」 「別に、そんなのいいのに」 「俺がしたいからさせてよ」 「うん、わかった」 ユキと野木さんが教室から出て行く、野木さんは申し訳なさそうに会釈をしていった。そんな顔するくらいなら、俺とユキの時間を奪わないで欲しい。 恋人、というポジションは譲ったのだから。 「狛井ー俺らも購買行くから一緒に昼飯食うなら、一緒に行こうぜー」 「あ、うん!行く!」 そう声をかけられて、慌てて追いかける。 ユキは、野木さんのこと好きになろうとしてるのかな?一応恋人なのに、あの態度って……、ていうか今日はユキと昼飯食えると思ったのにな。 ぐるぐる考えながら購買までの道のりを歩いていると、視界がぐにゃりと曲がる。 あ、れ?俺、なんか変かも……?

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