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第13話
「告白されて、断られたけどコマが俺のこと意識してるのかわかった。だから、あと一押し何があれば揺らいでくれるかもって思ったんだ」
「だから、あんな嘘を……?」
ユキは少しだけ気まずそうな表情をした。多分野木さんへの申し訳なさは微塵も感じてないんだろうけど、俺に対して嘘をついていたことが後ろめたいのだろう。
ユキって本当、どこまでも俺のことしか考えてないんだな、と少し嬉しくなった。
「ごめん、結果としてコマのこと傷つけることになって、こんな俺のこと嫌いになっーー……」
「よかったぁ!!!」
俺は不安そうなユキの言葉を遮り安堵した。
「た……?」
ユキは何がよかったのだろうか?と不思議そうな顔をしている。
「ユキは野木さんと付き合ってなかったんだよな?」
「え、あ、うん」
「じゃあもしも、もしも俺が好きって言ったら付き合ってもらえる可能性があるってこと?」
多分今の俺は暴走列車よろしく頭で思うことをそのまま口に出してしまっていた。
ユキが誰とも付き合っていないんだし、今の俺にも可能性がゼロじゃないんだって思ったら口が勝手に動いていた。
「待って待って」
「え、もしかして可能性ゼロ?もう俺のこと好きじゃなくなっちゃった?」
俺を静止するユキに不安になってしまった。今までのやり取りからどう見てもユキはまだ俺のこと好きだと自惚れていたのに。
「そういうことじゃない、怒ってないの?俺コマのこと騙すようなこととか試すようなことしたんだよ?」
「?それだけ俺のこと好きだったんじゃないの?」
「それはそう、だけど……」
俺がそう言うとユキは顔を真っ赤にして目を逸らした。多分、今までに見たことない表情だ。ユキが俺を好きだと言ってくれたからこそ見れた表情だと思う。
「じゃあ俺は怒らないよ!ユキが俺のこと好きでしてくれたことなら嬉しいし」
「コマって大概俺に甘いよね」
そんなつもりはないけど、もしそうなんだとしたらユキだからだと思う。だって多分ユキ以外にこんな気持ちにならないし。
「そんなことないよ、それで、俺が告白したらユキは付き合ってくれる?」
ようやく俺にもユキに好きって言えるようになった気がして、言いたくてたまらなくなっていた。
「待って」
ユキは俺の面前に手を出して、俺に待てと言った。犬にでもなった気持ちである。
「何?」
「そういうのは俺からちゃんと言わせて欲しい」
顔を真っ赤にしつつ今度は俺の目をちゃんと見てユキはそう言った。ユキってこんな可愛かったっけ?
「うん、ダメ」
「な、なんで!」
俺に否定されると思っていなかったのか、ユキは慌てていた。
「だって俺がユキに告白したいから!」
そう言うとユキはしょうがないなぁという表情でため息をついた。
「じゃあ、して?コマが俺に告白。そしたらもう返事は決まってるから」
「うん!ユキ、雪弥、好きだよ、俺と付き合ってください」
「俺もコマが好き、好きです。俺の恋人になってください」
俺はユキに手を差し出し、ユキもその手を握った。
今日から俺とユキは幼馴染ではなく、恋人だ。なんだかそれがむず痒くて思わず笑ってしまった、ユキもそれにつられてか笑顔になる。
「ユキ、だーいすき!」
「待って、あんまり好き好き言わないで」
ユキはまた顔を真っ赤にしながら俺から目を逸らした。
「なんで?」
「コマからそんなこと言われる日がくると思ってなかったから、心の準備ができてない」
「ふは、ユキってば可愛いな!これから毎日言ってあげるから早く慣れてね」
「お手柔らかにお願いします……」
ユキがこんなに可愛いなんて、ユキと恋人にならなかったらきっと俺は知らなかっただろう。ユキのことを誰より大事にして、大切にして、毎日好きって伝えていこうって決めた、俺にとって何より大切な日になった。
おしまい。
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