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第29話*

「はっ……あ、あぁ……んっ」  気持ちいい。気持ちよすぎて、はしたない喘ぎ声が止められない。  何回達しても収まらず、自ら腰をくねらせ、ナインを誘ってしまう。  自分から求めたら浮気になるという考えも忘れ、アクセルは夢中で快感を貪った。 「ナ……ナイン、もっと強く……」 「え、もっと?」 「もっと……!」 「……アクセル、きみかなりの魔性だね? フレインにそう言われない?」  ナインの欲望がぐぐっと大きくなった。アクセルの反応に呆れながらも、ナイン自身それなりに楽しんでいるようだ。 「うぅ、んっ……ふぅぅ……ッ」  ナインがまた腰を引いていく。  圧迫感から解放され、詰まっていたものを排泄するような感覚がたまらず、アクセルは全身を震わせながら背中を反らした。  ぶるぶる痙攣しているところを、また一気に最奥まで貫かれ、泡を噴いて悶えてしまう。  柔らかな襞を擦られるのも、しこりのような場所を潰されるのも、腹の奥を突かれるのも、浅いところを緩く刺激されるのも、何もかもが気持ちよかった。 「んあッ! あっ、あっ……あひぃ!」 「もう……なんか、完全にトんじゃってるなぁ。こんなに楽しんじゃって、大丈夫?」 「うぅ、う……んんッ! あ……うっ」 「……そろそろ終わりにしとくね。ここまで発散すれば、もう十分だろうし。後で悔やむことになるのも可哀想だしさ」  そう言ってナインは、微笑みながらアクセルの頬を撫でた。  そのまま出て行こうとするので、アクセルは反射的に下腹部に力を込めた。  両脚もナインの腰に絡め、ぐっ……と引き寄せて逃げられないようにする。 「ちょっとアクセル……駄目だよ。これ以上は治療じゃなくて、本当のセックスになっちゃう。きみの大嫌いな浮気になっちゃうよ」 「わ、かってる……けど……もう、いいんだ……」 「もういいって何? 一度身体繋げたから開き直ってるの?」 「そ、じゃなくて……ナインの……」 「……?」 「もうすぐ、死んじゃうなら……せめて……せめて、あなたの痕跡だけでも……」 「……!」 「おねがい、だ……。中に、出してから……それから、終わりにして……」  両腕も背中に回し、割れた声で訴える。  どう頑張っても、ナインがあと三日で死んでしまうのは事実なのだ。彼はコピーだから遺体も事務的に処理され、まるでなかったことのように扱われるだろう。まともな墓すら作ってもらえない。  ならばせめて、自分だけでもナインが生きた痕跡を残しておきたかった。  例えコピーであっても短い命を精一杯生きたのだと、自分の身体に刻み込んでおきたかった。

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