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第30話*

 するとナインは、ふっ……と小さく息を吐いて苦笑いした。  兄と同じ顔を近づけ、泣いている目尻にキスしてくれる。 「……惜しいなぁ。もう少し早くきみと出会ってたら、もっといろんなことを残してあげられたのに。トレーニングメニューを考えたり、筋力アップの食事をアドバイスしたり……今更だけど、すごく惜しい」 「っ……」 「もし生まれ変わるようなことがあったら、今度はきみの専属トレーナーにでもなりたいなぁ」  ナインが、ガシッとこちらの細腰を掴んだ。そしてガン、と力強く最奥を突き上げてくる。  アクセルも嬌声を上げながら、その身体にしがみついた。  腕も脚も快感に痺れていたが、絶対に振り落とされまいと、力を振り絞ってナインに抱きつく。 「あっ、あっ! ああっ……ナイン……」 「アクセル、僕のこと忘れないでね……。時々でいいから、僕が生きていたこと、思い出してね……」 「ああ……絶対、忘れない……。俺が生きている限り、永遠に……」 「……ありがとう。きみと本当に会えてよかった」  ボロボロ涙をこぼしながら、一生懸命頷く。  泣きじゃくっているアクセルを慰めるように、ナインはこちらの目元を何度も拭ってくれた。  そのまま何度か最奥を突かれ、弱い部分をゴリッと抉られる。 「うう、う……うあぁ……っ」 「アクセル……」  どぷ……と腹の奥に熱いものが注がれた。  その熱さが腹の中で広がっていくのと同時に、自分自身も派手に絶頂を迎える。 「っ……っ……」  気を失いそうになったが、何とか意識を掻き集めつつ、注ぎ込まれた遺伝子をなるべく吸収しようとした。  ――忘れないよ、この熱さも……。あなたのことは……全て……。  ぐすん、と鼻をすすり上げる。  今度こそナインが己を引き抜いていったので、アクセルは大きく息を吐いた。  さすがに体力が削れて一瞬このまま眠りたくなったが、自分に鞭打って身体を起こす。 「大丈夫? 起きられる? 無理しなくていいよ」 「……大丈夫だ。ありがとう、ナイン」  残り寿命が少ないのなら、休んでいる時間はない。ナインが後悔しないよう、自分も精一杯尽くさなくては。  急いで部屋のシャワーを浴び、汚れまくった身体を綺麗にする。  身だしなみを整えてバスルームを出て、待っていたナインに話しかけた。

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