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33.愛おしい人の裸
どれだけの時間が経ったのかも分からないぐらい、俺は伊吹さんを求めてキスをしたり、体中を触っていた。
服の下に手を入れて乳首を触るとビクッと反応する姿が可愛いくてまたキスをする。
夢を見ているようだった。
好きな人とこうする事が出来る日が来るなんて思ってもいなかったから。
「好きです、伊吹さん」
「ン……うんっおれも♡」
自分も何かしようと俺に伸ばす手が震えているのが分かって、優しく抱き締める。
元々ノンケだった伊吹さんを怖がらせたくない。
興奮する気持ちを出来るだけコントロールしながら、傷付けないようにするように心がけた。
「尚輝くん、優しい♡」
「はい♡愛してますから♡」
「愛って……あのさ、そろそろ服脱ぎません?皺になっちゃうよ?」
「えっ!?」
「ん!?」
そんな……伊吹さんの裸を見るなんて……恥ずかしすぎる!!
キスだってやっと自分から出来るようにはなったけどまだ緊張するし、服着たままだから肌にも触れるけど、これが裸だったらって考えると……
「あの、尚輝くん?」
「良いムードを台無しにしてごめんなさいっ!俺、伊吹さんの裸見るの恥ずかしいんです……」
「えー!何で!?俺男だし、尚輝くんと大差ないよ!?」
「だからですよっ!俺の恋愛対象は男なんです。勿論性的な意味での対象も男……伊吹さんの目の前に綺麗な女性が裸でいたらどう思いますか?それと同じですっ」
「綺麗な女性が裸でいたら……あー、そう言う事ね……ごめん、良く分かってなかったわ」
「いえ、俺がおかしいから悪いんです」
昔から体育で着替える時とかもいつもみんなが使い終わった後を使って来たし、その事でからかわれたりもした。
俺はみんなとは違うんだって、俺が悪いんだって思っていたけど、それでも好きになっちゃうんだよ。
初めて自分がゲイだとカミングアウトした相手が伊吹さんだった。
本気で好きになったから、勇気を出して打ち明けたんだ。
きっと伊吹さんなら、俺の事をおかしいなんて思わな……
「違うよ、おかしいのは俺だ。悪かったな尚輝くん」
「伊吹さん?」
気付いたら伊吹さんに抱き締められていた。
細い腕が俺を包み込んでとても暖かった。
「俺は尚輝くんより五歳も年上だからかっこつけたかったのかもな。話聞くとか言って余裕ぶっていきなりラブホになんか連れ込んで、そんでもって好きな奴の事も考えられなくてダセェな。本当は俺も怖い癖に。でも、尚輝くんにもっと近付きたいって思うんだ。怖いけど、尚輝くんとならしたいって思うんだ。おかしいよな俺」
「伊吹さんはおかしくないです!」
「うん、尚輝くんならそう言ってくれると思った。不安なのは尚輝くんだけじゃないんだ。俺も尚輝くんからしたら大分おじさんだし、結構焦ってるとこもあるんだよ。これ内緒な?」
確かに伊吹さんは大人びているけど、決して実年齢より老けているとは思わない。
むしろ若く見えるぐらいだ。
でも伊吹さんが言う事が本当だとしたら、それは伊吹さんにしか分からない悩みなんだろう。
「誰にも言いません。俺と伊吹さんだけの秘密です♪伊吹さん、この後は何があっても止めません。もし嫌だと感じたら殴ってでも止めて下さい」
「あは、了解♡」
俺は伊吹さんにチュッとキスをしてから着ていたワイシャツのボタンに手を掛ける。
一個一個丁寧に外してそっと捲ると、白くて綺麗な肌が見えてドキッとした。
なるべく意識しないようにするけど、どうにも無理だ。
俺の心境が分かったのか伊吹さんは自分で服を脱ぎ始めた。
そして上半身が露わになった。
予想通りに細かった。
骨が浮き出る程ではないけど、筋肉も少なく華奢。
「とても綺麗です……」
「それはどうも……」
そして下も脱ぎ始めた。
俺は見ていられなくなり、自分もと着ていたTシャツを脱いでベルトを外す。
途中で伊吹さんに後ろから抱き締められて動きを止められてしまった。
も、もしかして今伊吹さんは全裸か!?
「尚輝くん、俺が脱がしてもいい?」
「……はい、お願いします」
伊吹さんの申し出に俺はドキドキしながら体を向ける。
ここで伊吹さんの半分大きくなった下半身が目に入って何とも言えない気持ちになった。
直視出来ないでいると、俺のズボンをパンツごと下ろした伊吹さんの顔が固まっている事に気付く。
まるで信じられないと言うような、理解不能な物を見て戸惑うような、そんな顔……
な、なんだろう?
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